SSブログ
-| 2007年06月 |2007年07月 ブログトップ
前の10件 | -

木の家だいすきの会 東京事務所

木の家だいすきの会東京事務所は、神楽坂にあります。
「粋なお江戸の坂のまち」で、このところテレビや雑誌に良く取り上げられ、まちを歩く人がぐっと増えています。
「ハーツ環境デザイン」という都市デザイン・まちづくり事務所と共用です。
http://www.hearts-design.com

このまちの良さをどうやって守り更新していくか、それは大きな問題ですが、また別の機会に。

事務所の窓からは、こんな路地の風景が見えます。

事務所は、「木の家」らしくしようと、床は、だいすきの会メンバーの材木店「木童」さんから仕入れた、信州カラマツを敷きました。
窓は、木製ブラインドにしました。
これでずいぶん柔らかい、木のインテリアになりました。

床板は、自分たちで張り、蜜蝋を塗りました。
テーブルはシナベニア製で、これも自作です。

ぜひ、神楽坂にお越しください。


建築家 アトリエヌック 新井さん&勝見さん

埼玉県戸田市にある、アトリエヌックの事務所と、住宅作品を拝見しました。
木の家だいすきの会、新メンバーです。
http://www.kjps.net/user/nook/
http://www.doblog.com/weblog/myblog/33511

アトリエヌックでは、新井聡さん、勝見紀子さんのご夫婦で設計活動をされています。

ヌックさんの仕事場

拝見した住宅はさいたま市「南区の家」です。
施主のOさんは、お子さんがぜんそく気味であったこともあり、健康な家づくりを志向され、ウェブサイトで様々検索した結果、ヌックさんのホームページにたどり着いたそうです。
家に入ると、外は暑くともちょっと冷んやりとし、快適です。お子さんのぜんそくも快方に向かいつつあり、大変気に入っているとのことでした。
Oさん自ら、製材所にでかけたり、床や建具の蜜蝋(自然系の塗料)塗りや収納家具の組み立てを行うなど、気持ちのこもった家づくりをされました。木材は埼玉の岡部材木店から1件分まとめて入れています。構造材はヒノキ、マツ、スギ、造作材はサワラが中心で、良質の木材がふんだんに用いられています。

O邸は、力強く合理的な架構と、それを活かしたすっきりした間取りが特徴です。
アトリエヌックでは、架構を活かしたプランづくりを大切にしています。
2階のリビングルームは広々とした空間で、天井に見える登り梁(垂木)は7寸角(210mm)の松が3尺(909mm)ピッチで配されています。

外壁は白州そとん壁という、シラス台地の火山灰を利用した漆喰塗り壁です。
この特徴は下地も同質の材料で作れることで、それにより外壁から室内まで、水は通さないが調湿作用のある壁を作れることと、勝見さんの説明がありました。
なお壁の構造には貫を用いており、ここにも伝統工法を大切にするヌックさんのこだわりがあります。


建築家 渡邉 義孝さん

木の家だいすきの会の新しい設計メンバー、渡邉さんの自邸・事務所に伺った。
場所は千葉県習志野市。渡邉さんが主宰する「風組・渡邉設計室」のウェブサイトは
http://homepage3.nifty.com/w_yoshi/kazegumi/index.html

ファサードは焼杉と漆喰

渡邉さんは、世界中を旅して、「風を食べた」建築家だ。
そのせいか、建築と自然との一体化、つまり風の通り道や光の入れ方に対して、特に繊細な工夫をしている。
材料は自然素材の良さを活かし、合板は出来るだけ使わない。納まりのディテールに強いこだわりを持っている。
特に、梁露し部分などの電気配線の処理(見えないように埋める)なんかは、すごい。

リビングは家庭の中心、その中心に特注の丸テーブル。

季節変化による木の伸縮を見込んだ設計、施工も当然のこと。古い家に用いられていた材料(瓦、梁など)は、できるだけ再利用する。
元々型枠大工であった経歴から、施工にもこだわりを持っていて、施工図に近い実施設計図を多数作成する。現場監理もきめ細かく行い、ていねいな「手作りの家」づくりを進めている。自邸はかなりの部分、施主の設計施工だ。
そして、自身の設計に対して、率直に評価、反省し、改善点を話してくれる。

リビング上部のブリッジ

ブリッジ。白木部分は、配線しゃくりの埋木。

だいすきの会に、また1人、こだわりの建築家が加わった。





左官塗り外壁材

DHでは、外壁は「かきりしん」(製品名)を使うこととなった。

かきりしんは、天然素材であるドロマイトプラスターを主材として水練りする左官材料で、伝統的左官工法による掻き落とし仕上げである。ドロマイトの炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムで、ドロマイトを950~1100℃で焼成し、水和反応*を経て粒子を調整してドロマイトプラスターとなる。性質としては、不燃、呼吸性がある(調湿)、防音(ただし一定以上の厚さが必要)、耐候性、経済性などがあげられる。

目荒らしモルタル下地(乾燥養生後)、6-8mm程度で塗り、水引き具合を見て金串などで掻き落とす。表情は鏝の押さえ方である程度表情をつけられる。塗り壁らしい質感が出せる。色は、メーカー(日本プラスター)では白~茶の19色のサンプルがあるが、実際に塗ってみたのとは結構違うので注意を要する。

類似品としては、エーセルリシン(秩父コンクリート)などがある。エーセルリシンはセメントを基材としており、色合いは若干人工的な印象となる。

*セメントなどに水を添加した場合、水中に分散した粒子や水溶液中の溶質などが,溶媒の水分子との相互作用により結合する反応。要は、セメントなどと水が反応して結晶体である水和物を生成することで、これによって固化する。


木の家づくり その4 製材所へ [木の家づくり体験記]

伐採された木は、山から「協同組合彩の森とき川」の貯木、製材所に運ばれました。
http://saimori-tokigawa501.seesaa.net/

彩の森ときがわ協同組合 木の伐採イベント

DHでは、4本の7寸角(210mm)の大黒柱はじめ、柱、梁のすべては都幾川材で、地元の木を使った木の家です。

通常は、住宅の木の産地が明らかになることはあまりありません。銘木○○材といっても、そこで育ったのか、そこの材木市場で買われたものかは、よくわからない場合が多いようです。

木の家だいすきの会では、できるだけ地元の木、あるいは施主にゆかりのある地の木、ふるさとの木などを使い、木の産地と建主を結びつけ、それによって質の高い、愛着の持てる家づくりを進めています。

伐採された06年9月から、07年1月ごろまではそこで丸太の状態で寝かせておき(自然乾燥)、その後製材→人工乾燥 と進められました。
100~120℃による高温乾燥は木の表面は固化するものの、内部細胞壁を壊すなどにより、木の持っている呼吸作用が損なわれる危険もあり、中温乾燥とされました。中温乾燥とは、約80℃程度と言われます。

このコンテナで、様子を見ながら乾燥が進められました。


大工棟梁 黒木肇さん

DHの大工棟梁は、黒木さんである。
ひとなつっこいお人柄だが、実は苦労人で、仕事は妥協が無く職人魂に満ちている。

黒木さんの話は、いつも面白い。
本物づくりにこだわっている、ということが伝わってくる。
DHは、黒木さんに造ってもらえて幸せだ。

黒木さんの鉋


宮崎県の製材所視察

6月19日、20日の2日間、宮崎県の製材所、都城木材株式会社とランバー宮崎協同組合を見学してきました。
宮崎県は、国内有数の林産地であり、飫肥杉(オビスギ)がよく知られています。

都城木材の製材工場

こだわりの国産材を扱っている、木童の藤村さんに案内してもらいました。
木童さん → http://www.kodoh.co.jp/

私は本格的な製材所の見学はこれまであまりしたことがありませんでしたが、次の点が特に印象的でした。
・木材の人工乾燥により、顧客のニーズ(質、量、スケジュール)に対応しようとしている。乾燥の技術開発、均一的な品質管理に非常に注力している。

人工乾燥機 これだけ大規模のものが多数備えられている例は少ないという。

・木材の天然乾燥や、たとえば長ほぞ込み栓などの伝統的な仕口に対しては一定の評価をしながらも、その課題も認識し、現代の顧客ニーズや技術的基準に対して冷静かつ着実に対処すべく、人工乾燥、接合金物などを積極的かつ大規模に取り入れている。

・CADと連動したNC工作機械を導入し、複雑な仕口でも高い加工精度が得られるプレカット方式をフル稼働させている。換言すれば、それだけの機械を導入するためのスケールメリットを追求し実現している。

ドイツ製の工作機械。メンテナンス技術者の名前が大きく書かれている。デザインもヨーロッパを感じさせる。

・CAD-NCプレカットでも作れない複雑な仕口は、大工さんが手刻みで作っている。

また、お会いした都城木材の五十嵐社長は大変な教養人で、我々の設計メンバー澤野さんとクラシック音楽談義で静かに盛り上がっていました。車窓の緑を背景に聴いたバッハは、印象深いものとなりました。
五十嵐さんは、「いろいろな人と出会え、生きていて良かったと思うことが、この仕事をしている楽しみ」と仰っていました。

都城木材さん → http://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/mkj/kigyo/kigyo/c165.htm
ランバー宮崎さん → http://www.miyazaki-sanchoku.jp/join/index_09.html
建築家 澤野さん → http://homepage2.nifty.com/s-sawano/

また、製材所見学の後、まちづくりで知られる綾町に行きましたが、これがすばらしかった!
その話は、またいずれ。


木の家づくり その3 外壁工事 [木の家づくり体験記]

この「木の家づくり」では、時系列通りではなく、その日の様子や過去の状況などがランダムに登場します。

工事中の自宅(和光DH)の今日の様子です。
外壁工事のうち、モルタル塗りが行われています。

和光DHでは、外壁の構造2種類ありますが、主な部分は次のように構造になっています。
(外側から)
・漆喰(外壁仕上げ)
・モルタル(漆喰の下地、メッシュシート及び金網入り)
・アスファルトフェルト(防水のためのシート)
・ラス板(上記の外壁仕上げの下地と、壁内通風を取るためのもの)
・通気胴縁(通気層)
・透水防湿シート(品名はタイベック)
・構造用合板 12mm
・断熱材(パーフェクトバリア 100mm)
・(構造用合板~耐力壁 5倍壁の部分)
・石膏ボード
・ジョイント寒冷紗パテ処理
・漆喰(内装仕上げ)

このように、11~12層という多層構造です。
これは特に多いというわけではなく、壁の内部に通気層をとった漆喰仕上げの木の家の、標準的な構造のひとつと言えます。
構造の考え方により、合板ではなく筋交いを用いる場合もあります。

木の家では、木と漆喰すなわち自然素材を重要視しており、その部分の工事が多くなりかつ大切になります。


黒く見えているのがアスファルトフェルト、灰色の部分はモルタルを施工済み


和光DH北側の外壁 あと数日で漆喰が塗られるので、この状態にあるのはほんのわずかの期間。


浦和セミナー開催しました

2007年6月16日(土)、第2回木の家づくり浦和セミナーを開催しました。
講師は、木の家だいすきの会建築家、アーキネットデザイン主宰の市川均さん。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/ArchiNet/

木の家のコスト(ハウスメーカーの住宅と比較して、どこが違うのか?)、上手な光と風の取り入れ方、木の使い方などについて、設計した住宅の写真や概算試算表などを見ながら、お話がありました。

木の家だいすきの会では、豪華なカタログをつくったりTVコマーシャルをしたりモデルハウスを建てたりといった、営業経費がかかる広報活動をしていません。
そのため、お施主さんが支払うお金は、ほぼ全部その住宅のために使われます。また、「資金管理サポート」として、工事の出来高に応じて支払っていただく工事代金が、きちんと施工者に行くように、分離発注方式の良さをとりいれた透明性の高い資金管理をしています。お施主さんが支払うお金の細かな使途が明らかになります。このごく当然とも思われるしくみが、一般的な住宅建設方式ではなされていません。

ところで今日のお客様はさいたま市在住のHさんお一人でした。
えっ、ひとり!
とお思いでしょうが、少人数だと参加者にとっては講師の話を一方的に聴くのではなく、アットホームな雰囲気でいろいろ質問や相談ができ、とても「お得」な時間になります。
Hさんは今日のセミナーに参加し、いままでわからなかった家づくりのしくみがわかってよかった、これからも夢を持って家づくりに取り組みたい、と語ってくださいました。

来月は7月21日午前10時から、同じく埼玉会館でセミナーを行いますので、お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。
講師は建築家、風組・渡邉設計室の、渡邉義孝さんです。
http://homepage3.nifty.com/w_yoshi/





建築家 巻京子さん

昨日、木の家だいすきの会の新メンバー、建築家の巻京子さんのアトリエと住宅作品を見学しました。

巻さんのアトリエ「木の家設計室くわくわ」は、埼玉県所沢市にあります。
http://www.ne.jp/asahi/kuwakuwa/home/

巻さんの仕事場

巻さんはかつて木工職人、大工をしていました。
リフォーム工事の住宅で、ビニールクロスの裏のカビ、壁内の断熱材の湿気などの問題が非常に大きいのを数多く見て、それらを根本的に解決しなければならないと考え、住宅の設計を始めました。
また、ご自身が電磁波や、シックハウスの原因となる化学物質に敏感で、それらに悩む人たちの苦労がよくわかるので、エコロジカルで健康的な住宅づくりに注力しています。バウビオロギー(建築生態学)の考え方も取り入れています。

女の子お一人のお母さんで、お施主さんと設計の話の前に子育ての話をすることもあるそうです。
トトロのようなドラえもんのような (^_^;)
いつもにこにこしていて温かいお人柄です。住宅作品には、「結の家」、「Smile House」などお施主さんと巻さんの想いがこもったネーミングがされています。

仕事場も見学した住宅「みのりの家」も、巻さんのお人柄がにじみ出るような、明るく素朴で温かく、暮らしやすい雰囲気でした。お施主さんが内装の珪藻土塗りや、床や腰壁の胡桃油塗りなど施工され、手作りの家に大満足とのことでした。

みのりの家(埼玉県所沢市) 吹き抜け部分

Smile House 〔埼玉県日高市)



前の10件 | -
-|2007年06月 |2007年07月 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。