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構造物の表現仕上げ「適材適所」 [世界のまちかど]

自宅の近くの小さな川が数年前に改修され、洪水対策のため河道が深くされるとともに、遊歩道が整備され、修景がなされました。それ以来あまり気に留めていなかったのですが、先日、橋の下をみたところ、薄い仕上げ材が貼り付けられていることがわかりました。

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薄いプレートに、軽量モルタルを整形して着色したものが貼り付けられています。このような仕上げは屋内外の様々な場所で用いられていますが、この場所については、このような石の質感を表現する必要はなかったのではと思います。素材には素材にふさわしい使い方があり、それにそぐわないと違和感があります。むろん、どんどん新しい使い方は開発されていますが。

今月開業したJR山手線高輪ゲートウェイ駅は、大屋根で覆われたダイナミックな空間構成ですが、鉄骨の構造材の表面に薄い木材が貼り付けられている箇所が多く、そのディテール、納まりが気になりました。木材の経年劣化も起こるのではと危惧されます。やはり「適材適所」が大切と思います。

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浦和駅西口 うらもん商店街 [世界のまちかど]

 浦和は埼玉県、さいたま市の行政や文化の中心であり、文教都市のイメージが高く、住宅地としての人気も高い。県立浦和高校は学業では全国トップクラスの公立高校で、ラグビーの全国大会でも活躍した。浦和レッズに代表されるサッカーの街でもある。
 浦和駅西口から、埼玉県庁方面につながるみちに、うらもん商店街がある。名前の由来は県庁官舎の裏門に通じる道であるということ。浦和は旧中山道の宿場町として古い歴史を有し、一時期は画家が多く住んでいたことから画材店や画廊があった。うらもん商店街は、そのような浦和の文化や歴史を感じる、ほっとした空間である。

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ハッピーロード大山商店街 [世界のまちかど]

ハッピーロード大山商店街は東京都板橋区にあり、副都心池袋から東武東上線で3つめの大山駅を起点とする、延長約500mの商店街である。近年、大型店やネットショップに押され、近隣型商店街がどんどん少なくなっているなか、まだまだ元気にがんばり住民の日常生活を支えている。

店舗数は155で、「グルメ・フード」が最も多く63店、次いで「生活雑貨」32店、「ビューティー・ヘルス」19店、「金融・サービス・その他」18店、「ファッション・アクセサリ」16店、「エンタメ」7店となっている(数字は商店街ホームページより)。また、ナショナルチェーン店よりも地元店、ローカルチェーン店が多いことが大きな特徴である。八百屋、肉屋、魚屋という生鮮三品の個店もあり、和菓子屋も複数ある。商店街直営の「とれたて村」では、板橋区と協働で、全国13市町村と契約してそれぞれの産地からの野菜や特産品などを販売している。

また、コミュニティ活動にも注力しており、地域の障がい者支援や震災復興支援なども行っている。

ネット社会になればなるほど、このような地域型の商店街の価値が高まると思われる。

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商店街のほぼ全体にアーケードが設けられている。

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地元の肉屋、手づくりサンドイッチ店

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地元の洋品店も健在

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地元「いたばしプロレスリング」のレスラーも参加して、餅つきと甘酒ふるまい。
ハッピーロード大山公認レスラーもいる。


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自由学園明日館 [世界のまちかど]

 先日、研究室の学生を連れて、池袋にあるフランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館を見学しました。全員がそれぞれ好みの場所で、屋外屋内1点ずつの短時間スケッチ。スケッチは、場をよく見て感じとるにはよい手法です。

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 池袋は以前からよく行く馴染みのある街です。豊島区では国際アートカルチャー都市構想を進めており、近年南池袋公園はじめ西口広場、we road(鉄道下の通路)、Hareza中池袋公園などを相次いで整備しており、池袋のイメージや機能向上を図っており、今後もウォッチしていきます。
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イルミネーション in 東京 [世界のまちかど]

 今年も年の瀬となりました。ここ数年、街のクリスマスの雰囲気はずいぶん薄まったように思いますが、それでも都心各地のイルミネーションは季節の移ろいと華やかさを感じさせてくれます。
 大規模なイルミネーションは相当な経費がかかることもあり、開催の数や時期が短くなっているようです。以前は電球であったものが今ではLEDになり、青色やピンクが増えました。東京駅前~行幸通りでは、スクリーンや壁面投影の新しいイルミが登場しました。技術やデザイン、運営方式の進展によりイルミネーションの多様化が進んでいます。

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丸の内仲通り。伝統的な電球色を踏襲したシンプルで清楚なイルミネーション

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東京駅前、行幸通りのミチテラス。スクリーン投影方式が登場。正面の東京駅駅舎にも映像を投影。
一方通行で交通規制されていました。

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数年前から始まった渋谷「青の洞窟」。当初は違和感もあったのですが、すっかり定着したようです。

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Great Urban Places in ASIA [世界のまちかど]

2018.12.21、Great Urban Places in ASIAをWiley Publishing Japanより出版しました。
本書はアジア20都市のsense of placeを180点以上のスケッチ、40点ほどの都市構成図及び建築投影図、文章で表現したものです。画一的な再開発などで失われつつある個性ある街や、庶民の生き生きした暮らしの場であるパブリックスペースを残し活かしていくことの大切さをお伝えできればと思います。

アマゾンで予約販売が始まっており、ご興味あればご覧ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07LBCQ1L8
今のところkindle版のみですが、来月中にはプリント版のお知らせも出る予定です。

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今日アジアの都市の多くで、その都市らしさが失われつつあります。混沌とした活力にあふれたアクティビティが公共空間から排除されつつあります。歴史・文化的価値を持つ建築や、庶民の生活を育んできた住環境が、現代的で世界共通仕様のものに変わりつつあります。人が歩くまちから車が走る都市に変わりつつあります。政府や事業者そして多くの住民も、それが最大の経済的利益と便利さを生むものと考え、受け入れ推進してきました。特に発展途上にある多くのアジアの都市においては、開発圧力はとても大きいものです。

しかし、現代的な開発によって都市のすべてを覆いつくしてしまったら、何が残るのでしょうか。混沌雑然としているがヒューマンスケールで人々の生活や商売、活力があふれ出しているみち、防災面の問題はあるかもしれないがしっとりとした落ち着きのある伝統的路地界隈などは、一度失われて大型ビルやショッピングセンターになってしまったら、二度と取り戻すことはできません。そこで長年生活していた人たちや商売を営んでいた人たちは、まちを離れてしまいます。既に失われたもの、そして失われつつあるものの価値に気づき、それを持つ街を活用しながら保全して、次世代に継承していくべき時代になっているのではないでしょうか。

旧来からのアジアらしい街は、ともすれば「遅れている」、「貧しい」、「汚い」などと評されますが、市民や観光客に大いに支持され、活用されています。各地の歴史、気候風土に基づいた誇るべきものであり、都市の個性的魅力としてアピールし、発展的に継承されるべきものです。特に各地の路地界隈はそのような魅力、特質を備えた、重要な都市空間であり、歴史的・文化的価値が高いものが多いです。本書は、主にそのような魅力を持つアジア各地の都市空間を描写したものです。

ヨーロッパに隣接した西アジアから極東まで数多くの都市があるなかで、経済や文化の中心都市など20地区を歩き、観察しました。これは、魅力あるアジアの都市のごく一部です。それぞれの都市で、最も魅力・にぎわいがあると私が感じた地区については街路・街区図を、さらにその中心部については建築平面投影図を作成し、公共空間の活動とその基盤である空間構成との関係性を読み解くことを試みました。それらの図面はAllan Jacobs 著Great Streetsなどと同様の表現、スケールとし、都市の比較ができるようにしました。結章では魅力的なまちが備えている条件や今後の都心部再開発の方向性について考察し、補足として各地区の街路や交差点密度について得られたデータを整理しました。

皆様方にはまず、アジア各都市の様々なsense of placeをお楽しみいただければと幸いです。そして、近代化、グローバル経済化のなかで失われてしまったものや失われつつあるものの貴重さを思い、次世代に向けて私たちはどのような都市空間を残し、継承し、再生していけばいいのか、いっしょに考えていただければまことにありがたく存じます。

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急傾斜面上の住宅と路地 [世界のまちかど]

埼玉県和光市白子地区は、荒川低地に近く、武蔵野台地の周縁部にある。台地面と、荒川に流れ込む白子川により浸食された谷底低地が入り組んだ地形となっている。

この住宅地は、台地面と低地の間の急斜面上にあり、おそらく1960-70年代に開発されたものと思われる。道路というよりも路地の幅員は2-3m程度、急坂あるいは階段状になって曲がりくねっており、おもしろい。もちろん車は入れない。これだけの急斜面に高密度の宅地開発をしたということは当時の開発圧力が非常に高かったことを示している。接道条件をどのようにクリアしたかは、見た目ではよくわからない。

住宅の老朽化が進み、急斜面のため高齢者にとっての生活環境は厳しい。最寄り駅からは徒歩15分くらいかかる。斜面の路地のおもしろさを活かしたまちづくり、まちの更新がされることを期待したい。

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ペナン・ジョージタウンのストリートアート [世界のまちかど]

2017年11月、マレーシア・ペナン島のジョージタウンを訪問した。ジョージタウンはイギリス統治時代に建造されたコロニアル風建築や様々な宗教建築があり、2008年に街が世界遺産に登録された。その後2012年に、リトアニア出身のアーティストであるアーネスト・ザカレビッチが歴史的建築物に壁画を描いたことがきっかけとなり、現在では50点以上のストリートアートが街を彩っている。取り組みは比較的新しいが、今ではアートが歴史的建築物や構造物とあいまって、すっかり街に定着し、新たな観光ポイントになっている。
 特徴は、単に見る壁画ではなく、人が係わり、人もアートの一部になる体験型アートが多いこと。参加することで大いに楽しみが増し、自分だけのパーソナルアートになっていること。本人だけではなく同行する人たちの笑顔も、たくさん街にあふれていた。

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埼玉県入間市ジョンソンタウン [世界のまちかど]

 10月11日、芝浦工大鈴木研究室メンバーで、埼玉県入間市のジョンソンタウンを訪問。磯野商会という地元の不動産会社が一括して経営している賃貸住宅・商業施設の地区である。当初は農地として所有し、朝鮮戦争時に近隣の米軍ジョンソン基地で住宅需要が高まったことから米軍用の住宅地として開発し、当時の米軍住宅が7,000坪の敷地に建設された。その後米兵は去り民間賃貸住宅地となったが、1990年代には老朽化、住民の高齢化が進み、全体の再開発という話もあった。しかしこの土地ならではの米軍住宅の希少性、文化性にこだわりもった先代社長が環境の保全・再生を決定。建築家や都市計画家とチームを組み、この地に愛着を持つ人たちが住み、働く街になっている。現在の住民は約130世帯、200名、店舗は55店に達している。賃料は周辺相場よりもだいぶ高いが、入居待ちがある状況という。
 土地、建物はすべて磯野商会が所有し、賃貸としている。店舗に改装の際には、オーナーとテナント、建築家が協議し、デザインや費用負担などを決定しているという。このような、民間不動産会社が理念を持ち、地域の個性を活かしたまちづくりを行っている例は非常に珍しく、画期的である。街を歩くとよき時代のアメリカのおおらかな雰囲気が漂い、住民や商業者が楽しみ、誇りを持って住み、暮らしていることが感じられる。
 これに似た例として、バークレーのフォースストリートを思い出した。そこはかつては工場、倉庫などであった地域を、地元ディベロッパーが市から段階的に購入し、地元に事務所を置いて、徐々に商業地区として整備したものである。建築はかつての倉庫等をリノベーションし、ヒューマンスケールがあり、区域としては小さいが、歩いて楽しめるストリート空間となっている。ひとつのディベロッパーが地域に密着し、歴史や個性を活かして丁寧な再生をするという点が共通である。
 ジョンソンタウンは近年商業施設が増え、観光客が増えているが、それによってプライバシーの侵害などの問題も発生しているという。今後とも「住む」ことを基本とし、地域を愛する人たちが商業を営むまちであり続けることを願う。

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川越まち歩き [世界のまちかど]

5/27(土)、久しぶりに川越を訪問しました。芝浦工大のSD(Space Design)研究会と環境設計・鈴木研究室の学生7名が参加のまち歩きです。ガイドは、川越生まれ・在住で、川越のまちづくりに関わっており、以前にハーツ環境デザインに勤務していたMさんにお願いしました。
 川越といえば、伝建地区に指定されている明治時代の蔵造りの街並みが有名ですが、そこに近接した地区では大正、昭和のイメージを活かした商店街のまちづくりが進められています。さまざまな課題はあるにせよ、それぞれの地域にあったものを生かし、個性のあるまちづくりを進めているのはすばらしいことです。

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明治時代の蔵造を活かした街並み。国内外の観光客が大幅に増えている。以前から自動車交通が多く、歩きやすいとはいえない状態。生活や商売の場であるため自動車が必要とされているが、交通コントロールが必要と思われる。

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ここはかつてはアーケードのある商店街であったが、後年「大正」をイメージした街並み修景が進められ、ずいぶん定着した感がある。

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ここは昭和の商店街の保全と再生がこれから進められようとしている街路。「普通の昭和」が残っているまちは少なくなった。これもあと数十年したら歴史的地区になるか。

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昭和のまちの一角にある、旧劇場・映画館。再生計画が検討されているとのこと。

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