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木の家づくり その20 サッシ取り付け、FRP工事 [木の家づくり体験記]

一通り耐力壁に構造合板が取り付けられると、家の骨格と構造を支える面が出来上がる。
次にサッシ取り付けが始まる。
近年の木造住宅では半外付けが多く採用され、DHでも、部屋の種類に係わらず半外付けとした。
和室では外付けでも良かったのだが、縁側とのとりあいに配慮して、あまり出過ぎないようにした。

サッシ施工は防水と断熱がポイントとなる。まず、枠と合板の間にしっかりと防水透湿シート(タイベック)を挟み込み、重ね代をとって取り付ける。

同時期に並行して、バルコニー床のFRP施工が行われた。
雨が降ると当然ながら屋外の床には水がたまり、木にとって良くない。
そこで、早い時期にFRP防水施工をしておくことが必要になる。


入隅部分は水がたまるので、特に丁寧な施工が求められる。

工事管理は天候を見ながら、他の様々な工程とのスケジュール調整がポイントであり、面白いところでもある。


木の家づくり その19 木工事など [木の家づくり体験記]

木工事、屋根仕上げ工事などが並行して進む。
骨組みだったものが、どんどん家らしくなっていく。

外壁合板
梁の継ぎ手は「追っかけ大栓継ぎ」

2階の根太
なにげないようだが、根太せいが90mmあり、材料は杉なので、棟梁としては不陸(ふりく~水平でないこと)が生じないように細心の注意を払い、かつ頻繁にレベルチェックを行いながら施工していく。施工後のレベル調整も頻繁に必要。

屋根の先端
アスファルトルーフィングに続き、先端部の板金を施工。
水が回り込みやすい箇所なので、これも十分な注意が必要。

現場で打ち合わせは、黒木さんのトラック荷台が机代わり(の時もあった)。
黒木棟梁、アーキネットデザイン市川さん、小林さん


木の家づくり その18 外壁、木工事(続き) [木の家づくり体験記]

この時期は木工事の佳境である。
構造材に、間柱、合板などが日に日に加工され、取り付けられていく。


床根太の取り付け位置
継ぎ手は、「あり継ぎ」

やがては壁の中などに隠れていく接合金物や、木に書き付けられた大工さんたちの作業メモなども、この時期には全て見ることが出来る。

家を支えるのに、このようなさまざまな「役者たち」がいることは、覚えておきたいものだ。


木の家づくり その17 外壁(木工事) [木の家づくり体験記]

このブログの、「木の家づくり その3」でも外壁工事について書いているので(参照ください)、ここでは主に外壁の木工事について。
屋根工事が一段落すると、次は外壁工事。ただし仕上げは後になる。まず雨風が吹き込まない状況をつくること。それで、室内の構造材を守ることになり、作業性も向上する。

木造住宅の、壁の基本的な作り方にも数種類ある。
柱や梁を見せるか見せないかで真壁-大壁があり、構造の考え方で、筋交い、間柱、構造用合板、貫、木摺りなどどの構法を組み合わせ、用いるか、選択される。

DHでは、東西方向に開口部が多く、耐力壁として5倍壁を用いる必要があることなどから、外壁には構造用合板を用いている。
まず、構造を支える柱の間に間柱を設け、そこに合板を取り付けていく。


間柱を加工する黒木棟梁


土台に書かれたメモ。間柱位置が記されている。


木の家づくり その16 屋根工事 [木の家づくり体験記]

柱、梁とともに垂木が組み上げられ、一番先に仕上げられるのが屋根である。
屋根ができれば、その後濡れないし直射日光が当たらないので木が守られ、作業もしやすい。

DHの屋根は、家の東西方向のほぼ中央軸を境にして、南下がり、北下がりの2枚の片流れ屋根から構成されている。北下がりの勾配は1寸5分、南下がりは3寸で、北下がりの方が約1200mm高くなっており、そこに窓がつけられる。
北側の勾配が緩いのは、建築高さを10m以下に抑えること、3階ロフト(子供室のベッド)の高さをできるだけ高くするためである。

また軒の高さは8215mmで9m以下としている(それを超えると法規チェックが厳しくなる)が、軒高をどこにするかは、片流れ屋根の場合にはよく問題になる。DHでは片流れの低いほうの横架材上部としている。片流れの高いほうの桁は小屋束によって支持されているので、法規の「軒の高さ」に該当しない。
ちなみに、軒の高さとは、「地盤面から建築物の小屋組またはこれに代わる横架材を支持する壁、敷げたまたは柱の上端までの高さ」である。[建築基準法施工令2条1項6号]。
建築法規には、わかりにくいものが多い。

構造は、室内側から順番に、
 登り垂木
 杉厚板 厚30 (化粧)
 アスファルトルーフィング 22kg
 ネオマフォーム 厚100
桟木 45*18 (通気層)
 野地板 厚12
アスファルトルーフィング 22kg
 ガルバリウム鋼板 シルバー 縦はぜ葺き  である。
3階の屋根に上がると、高い!


化粧野地板 黒木棟梁がインテリアを考え適材適所に配置


断熱材(ネオマフォーム)、桟木の施工。南下がりの屋根上で。


軒先の板金。実際は板金はしばらく経ってからだったが、アスファルトルーフィングが施工されていればしばらくはOK。


屋根板金 立ち上がり部分
このあたりは、壁や防水シートの施工後になる。


和光DH 入居、内部木塗装 [木の家づくり体験記]

しばらくぶりの更新です。
8月15日、引っ越しをしました。
造作家具などが未完成の部分があり、また仕上げの塗装工事は施主施工になっていることもあり、引っ越しの片付けの前に、しばらくはそれらの作業に時間がかかり、ブログ更新の時間が取れませんでした。

一応竣工したばかりの新しい家、というのはまだまだ「ゴツゴツ」していたり、「ザラザラ」していたりします。それらは物理的な触感というよりも、住み手が住みなれる、住み込む以前の状態ということで、だんだんと住み手の手垢が付き生活観で染めていくことで、徐々に住み手の家になっていくように思います。

これからは、木の家の住み手として、感触、使い勝手、メンテナンスなどにも触れていきたいと思います。
工事記録もまだ途中ですので、追加していきます。

それにしても今年の夏は暑かった!
風通しよい(はずの)木の家でも、やはり、かなり暑かったです。
とはいえ、家に入ると、空気がサラッとしていて心地よい感覚があります。

木~床、柱、建具などの塗装をどうするか?
いろいろな意見があります。

当面は、床は蜜蝋とし、その他はあまり塗らないことにしようと考えました。
しかし、住んでみてすぐに、水がかりが気になったり、皆が触るのですぐに汚れるだろうと思われる箇所がたくさん出てきました。
塗り始めると、なかなか切りがないことに気づきます。

棚が仕上がらないと荷物が片付かないので、まずその作業からやることになります。
結局、かなりの柱、棚、扉などにオスモカラー(ノーマルクリア)、または蜜蝋を塗りました。
これは想像以上の作業量になり、冷房のない、私たちの夏を暑く熱くしました。
塗って「木が喜んでいるな~」と感じられるところが多かったのは、良かったです。

カーテン、網戸など、設計の段階ではそれほどの重要度を持って考えられなかったものが、生活のうえでは実に重要なことも実感しました。スイッチの位置も、なかなか難しいものがあります。いろいろ検討して設置したのですが、あ、ここにあったら良かったのに、と気づくことがいろいろあります。

昨晩、引っ越し以来約2週間ぶりに、テレビが映りました。地デジ対応に時間がかかりました。
俗っぽいことではありますが、テレビというのは家庭、リビングの中心であり、その周りに座る場所ができるという、落ち着きをもたらす効果があります。そのようにして、徐々に、ふつうの生活が新しい家に染み込みつつあります。

まだ家のLAN工事ができていず、ネット環境が整っていないので、当面、更新はあまり頻繁にできませんが、今後ともどうぞご期待ください。






和光DH 完成見学会 [木の家づくり体験記]

本日8月11日、完成見学会が行われました。
暑い中、約40名ほどの方が見学に来てくださいました。

ここまで設計、工事を進めてくださった皆様に、心より感謝します。
ありがとうございます。

この家は、みんなで造った家です。
これから、うちの家族で住まわせていただきますが、みんなの家です。
いつでも大歓迎です。

生活に使われる木と漆喰の自然素材の家を、きちんと家守していきたいと思います。
住まわれてどんなふうになっているか、皆さんときどき見に、遊びに来てください。


木の家づくり その15 木組み [木の家づくり体験記]

上棟直後は、木構造が一切隠されない状態で見えるので、ある意味で家が最もきれいに見える時かもしれない。
このときに美しく見える家は、構造と間取りがよく調和し、完成したときにも美しく見えるのではないだろうか。
また、隠れてしまう継ぎ手、仕口などは、この時点でよく確認することが大切になる。

基礎と土台を緊結するホールダウン金物

渡り顎による木組み

登り梁

「木の家だいすきの会」看板が設置されました。

●●●今週土曜日、8月4日午後1時半より、新宿初台東京オペラシティ1Fにある木童ショールームにて、木の家づくりセミナー&展示会を行います。テーマは「ふるさとの木で家をつくりませんか 木と漆喰で和風モダンな家づくり」、講師は建築家 中村展子さんです。
ぜひご来場ください。くわしくは下記をご覧ください。

http://www.kinoie.org/seminor070804s.html


木の家づくり その14 上棟 [木の家づくり体験記]

基礎の上に土台を敷く。
その後、柱や梁を一気呵成に組み上げる「上棟」は、工事のクライマックス、最も重要な場面のひとつである。
上棟で、家の基礎的構造が完成する。

柱が立ち梁でつながれ組み上がっていくさまは、まさに都市に森が再生される感がある。

クレーンで材を搬入。狭く、電線もあるので慎重に。

大工さんがお清めし、「いの一番」から建て始めるのが、本来の建て方。

大黒柱が1本立つ。

黒木棟梁「サグラダ・ファミリアのようだ。。。」

半日ほどでこのくらいまで進む。鳶、大工さんが木槌で叩いて締めるが、本締めは後で、全体の水平バランスを見ながら行う。

1日目夕方、工事関係者にご祝儀。

上棟




木の家づくり その13 製材 [木の家づくり体験記]

現場で地盤改良や基礎工事が行われる一方、木材の加工が飯能市の細田材木店で行われた。
代表者の細田博之さんも、木の家だいすきの会のメンバーである。

仕口や継ぎ手の加工は、プレカット(機械による自動加工)と手刻みの併用とした。
プレカットでできる分はそれでやればよいが、できるだけ接合金物を少なくし、木と木の組みによる工法を用いる場合、大工さんの手刻みは欠かせない。現在の木造建築の基準では、金物を用いた構法が中心となっているが、伝統的な木組みは千年以上の歴史があり日本の風土や木の使い方に馴染んだもので、適切な材料で適切に施工されれば、歴史が証する合理性、耐久性がある。近年、プレカットによって手刻み仕事が大幅に減っているが、それができる大工さんと技術を継承することは、日本の建築にとって大変重要であると思う。
DHでも接合金物は使うが、なるべく少なくし、長ほぞ込み栓、追っかけ大栓継ぎなどを用いている。

製材屋さんにはCADオペレータがいて、プレカット図面をCAD製作し、それがそのまま加工機械への入力データとなる。建築の実施図面とはまた異なる表現で、興味深い。

細田木材店で加工される大黒柱

DHの土台は、構造材で唯一埼玉県産ではなく、青森県産のヒバである。
ヒバは耐久性、耐蟻性に優れ土台には最適の材である。私の都市計画業務(ハーツ環境デザイン)の原点である青森県大畑町でいっしょに仕事をした、NPOサステイナブル・コミュニティ総合研究所(SCR)メンバーの一人が製材業をされており、紹介していただいた。土台にアオヒバが使われることは、構造面だけではなく精神的にも支えになってくれる。

細田木材店で加工されるアオヒバの土台


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