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木の家づくり その12 基礎立ち上がり部施工 [木の家づくり体験記]

耐圧盤の養生(中1日~本来なら冬でもありもう少しほしいところ)の後、立ち上がり部の型枠が組まれ、続いてコンクリートが打設された。

型枠工事

大黒柱を載せる箇所

コンクリート打設

打ちあがったところ

やはり基礎は大事なので、鉄筋の少々のずれは気にしないことにしても、しっかりできてくれるとほっとする。
あとは十分養生させたい。今年の冬は暖冬で、凍結の心配はさほどなかったのは良かった。


木の家づくり その11 耐圧盤コンクリート打設 [木の家づくり体験記]

配筋検査が合格したら、次は基礎コンクリートの打設になる。
ベタ基礎の場合、通常はまず耐圧盤(底盤)を打設し、養生ののち、立ち上がり部の型枠組み、コンクリート打設になる。

打設に先立って、配筋の間隔などを最終チェック、微調整。

ポンプで生コンクリートを打設、振動機を入れて十分に行き渡るようにする。

数人で振動、突き、均しなどの作業を同時に行っていく。固まってからでは遅いのでチームワークが大切。

打ちあがった状態。

2月で寒いので、凍結防止が重要。打設後はシートをかけて養生する。
コンクリート固化熱が出るので、それを逃がさないため。シートの中に手を入れるとほんわりと暖かく感じられる。

なお基礎工事を仕切るのは、鳶職人である。

鳶職人は、もともと高所作業をする職人であり、江戸時代には火消しもしたということで、消防出初式で梯子の上で芸を披露したりする。
足場とともに杭工事もするので、それが広がって現代の建築では基礎工事までも鳶職がやるようになっているのだと思う。

鳶については、木の家だいすきの会大沢宏さんのブログにも書かれています。
http://sa-chon.moe-nifty.com/koupw/2007/06/post_e864.html

鳶の親方は頭(かしら)と呼ばれ、工事だけではなく、まちのもめごとの解決も仕事らしい。
そう言えば、DHのかしらも町会議員だった。。


木の家づくり その10 配筋工事 [木の家づくり体験記]

捨てコン打設の次は、配筋工事となる。

今回は私は施主兼設計チームの一人という立場であり、細かなことの批判を書くつもりではなく、ひとつの現場の経験から、改善できるのではと思われる点を考えてみたい。

基礎の幅は150mmでありこれはほぼ標準。これに縦筋D13が入るのは良いとして、その上部のフックである。フックのR(直径)は50mm程度あった。これは鉄筋業者の持っている加工機械の能力に拠るらしい。40mm程度にできるものもあるようである。曲げ加工の直径は鉄筋径の3倍以上(D13の場合)となっているので、39mm以上となる。
D=40mmの場合、幅150mmのなかに納め、かぶり厚40mmを確保するためには、計算上は、
(150-40-13-13)/2=42
より、施工誤差は2mm以内でなければならない。

これは、現実的には極めて難しい。
DH現場でも、フックの先端が型枠につきそうになっていたところがいくつかあり、それは直した。

木造住宅基礎で、縦筋の上部にフックが必要か(そのために被り厚が小さくなるが。。)?
さらに、鉄筋が密集している箇所には、コンクリートは正しく充填されるのか?
施工精度は、どの程度まで求められるべきか?
設計者、施工者や施主の方のご意見をいただければありがたい。

基礎は一度作ってしまったら見えなくなり、作り直しはできない。
個々のことに完璧を求めることは無理だし重箱の隅を突くことになって意味が無いが、配筋がどのような状態にあるか把握し、全体として基礎の安全性が確保されていることを確認することが必要である。

現場監理として、基礎は最重点項目のひとつになると思う。

●●●
 今週末は、土曜日は木の家づくり浦和セミナー(講師 建築家 渡邉義孝さん)
 埼玉会館にて、午前10時~。
 日曜日は、和光DHの現場で漆喰セミナー(講師 左官職人 鈴木 忠さん) 午前10時~、午後1時半~。
 くわしくは、木の家だいすきの会ホームページをご覧ください。
 皆様のご参加をお待ちしています。


木の家づくり その9 基礎工事 防湿フィルムと捨てコン [木の家づくり体験記]

次に防湿フィルムを敷きます。
地中からの湿気が上がってくることを防ぐためです。

シートの施工後数日で、裏側にはびっしりと水滴が付く状態になります。
防湿は、土台や柱などを乾燥状態に保ち、シロアリの被害などを予防するためにも、大変重要です。

次に、捨てコンと呼ばれる、コンクリートを打設します。
これは、砕石の高さを揃えるとともに、その上に基礎の位置を示す「墨出し」をするためのものです。
捨てコンに基礎の位置が記されています。


木の家づくり その8 根切り工事 [木の家づくり体験記]

地盤改良が終わると基礎工事になりますが、まずそのために所定の深さまで土を掘る工事を行います。これが根切りです。
根切りの深さを、遣り方から張った水糸で確認しながら作業をしています。

所定の深さまで掘ると、まず砕石を敷き詰めます(厚さ150mm)。

構造上重要な部分は、基礎の深さが深くなっています。
また、地盤改良した部分(地中杭)が、基礎の交差部、柱の下に配置されることがわかります。


木の家づくり その7 地盤改良工事 [木の家づくり体験記]

DHの敷地は中古住宅が建っていたのだが、その解体作業で、基礎(布基礎)、床が相当傾いていたことがわかった。
地質調査が不可欠である。敷地から約25m程のところに川があることも、地盤があまり強固でないことを予想させた。

地質調査方法は、「スウェーデン式サウンディング試験」。約30坪(100.0㎡)の敷地内5箇所で調査したところ、N値としては3.0程度であった。これは木造2階建てならまあなんとかなるが、3階建ての場合には地盤改良をしておいたほうが良い、というレベルの値である。

http://www.jiban.co.jp/gyoumu/chousa/tyosa02.htm (参考)

また基礎はベタ基礎であるが、それ自体にかなりの重量がある。DHは3階建ての計画であり、安定的な基礎づくりや防湿も考慮して地盤改良を行うこととした。

試験結果を見て、地盤改良方法は「湿式柱状改良工事」とした。これは、騒音や振動が少なく残土もでない工法であり、地盤がさほど悪くなく、改良すべき深度もそれほど深くない場合には、よく用いられる。ドリルで穴を掘りながらそこにセメント、水を注入し土と混合させて固化させ、強度を得る方法である。本来は杭ではないが、固化された部分が周辺との摩擦力を持ち、杭と同等の効果が期待されるので地中杭といわれることもある。

http://www.life-support-lab.jp/re/reb1012.htm (参考)


DHでは構造計算より、直径500mm程の地中杭が27本、深さ5mまで施工された。正確に言うと、1本は約2.8mと、所定深さの5mまで到達しなかったので、その近くにもう1本、約2.8mのものが追加された。原因は、宅地造成のときに投入されたコンクリートガラらしい。

最初の、地盤改良工事自体は2日間で終わった。
しかし、工事後、一部の杭の表面部分が、セメントと土が十分に混ざっていずぼろぼろ崩れるような状態であったので、その修復を行った。また、杭施工後、現場にセメントミルクが固まった残り部分などが相当に残されており、基礎工事にすぐ入れる状態ではなかったので、その片付けも必要だった。地盤工事会社は、その対応がすばやくはなかった。その間に年末年始の休みが入ったりして、結局全部終わるのに1ヶ月くらいの時間を要した。

地盤や基礎は、まさに家の基礎であり、また工事のしょっぱななので、どの建築主も気になるところである。
工程が予定通りにならないことや想定外のことは、努力しても避けがたい場合もあるが、それであっても、工程や品質、説明のしかたなど、十分に配慮しなくてはいけない。




木の家づくり その6 定礎式 [木の家づくり体験記]

我が家はキリスト教(プロテスタント教会、日本キリスト教団)なので、DHの着工時に「定礎式」を行いました。

定礎式はひとつの礼拝で、現場に牧師に来ていただき、工事の無事完成を祈ります。

詩篇 127編1節
  主御自身が建ててくださるのでなければ 
  家を建てる人の労苦はむなしい。
  主御自身が守ってくださるのでなければ
  町を守る人が目覚めているのもむなしい。

施主、設計者、施工者、牧師夫妻が記名し、聖書と設計図面の入った壷を敷地の一角に埋めました。
当日は仮に埋めておき、地盤改良工事が終わり、基礎工事の前に、家のほぼ中央部にしっかりと埋めました。

100年後?
この地にまた新しい家が建つとき、誰かが発見してくれるでしょう。


木の家づくり その5 水盛り・遣り方 [木の家づくり体験記]

水盛り遣り方とは、建築工事の初めに、現場で建物の位置と高さの基準となる点、線を定めることで、大変重要なものです。
http://www.ba-u.jp/bau/yarikata.htm (参考)

「水盛り」とは、水平を定めるということで、かつて測量機器の無い時代には水を角材に盛って水平レベルを見たことから、そのように言われます。水平レベルを示す糸は、水糸といわれます。
遣り方とは、そのように建物位置の基準を出す行為、あるいはそれに用いられる外壁の中心線などを表示する仮設の装置を指します。後者の意味の遣り方は、通常は建物外形から3尺(約90cm)程度離れたところに設けられます。

やり方を設置する黒木棟梁


完成した遣り方と水糸



木の家づくり その4 製材所へ [木の家づくり体験記]

伐採された木は、山から「協同組合彩の森とき川」の貯木、製材所に運ばれました。
http://saimori-tokigawa501.seesaa.net/

彩の森ときがわ協同組合 木の伐採イベント

DHでは、4本の7寸角(210mm)の大黒柱はじめ、柱、梁のすべては都幾川材で、地元の木を使った木の家です。

通常は、住宅の木の産地が明らかになることはあまりありません。銘木○○材といっても、そこで育ったのか、そこの材木市場で買われたものかは、よくわからない場合が多いようです。

木の家だいすきの会では、できるだけ地元の木、あるいは施主にゆかりのある地の木、ふるさとの木などを使い、木の産地と建主を結びつけ、それによって質の高い、愛着の持てる家づくりを進めています。

伐採された06年9月から、07年1月ごろまではそこで丸太の状態で寝かせておき(自然乾燥)、その後製材→人工乾燥 と進められました。
100~120℃による高温乾燥は木の表面は固化するものの、内部細胞壁を壊すなどにより、木の持っている呼吸作用が損なわれる危険もあり、中温乾燥とされました。中温乾燥とは、約80℃程度と言われます。

このコンテナで、様子を見ながら乾燥が進められました。


木の家づくり その3 外壁工事 [木の家づくり体験記]

この「木の家づくり」では、時系列通りではなく、その日の様子や過去の状況などがランダムに登場します。

工事中の自宅(和光DH)の今日の様子です。
外壁工事のうち、モルタル塗りが行われています。

和光DHでは、外壁の構造2種類ありますが、主な部分は次のように構造になっています。
(外側から)
・漆喰(外壁仕上げ)
・モルタル(漆喰の下地、メッシュシート及び金網入り)
・アスファルトフェルト(防水のためのシート)
・ラス板(上記の外壁仕上げの下地と、壁内通風を取るためのもの)
・通気胴縁(通気層)
・透水防湿シート(品名はタイベック)
・構造用合板 12mm
・断熱材(パーフェクトバリア 100mm)
・(構造用合板~耐力壁 5倍壁の部分)
・石膏ボード
・ジョイント寒冷紗パテ処理
・漆喰(内装仕上げ)

このように、11~12層という多層構造です。
これは特に多いというわけではなく、壁の内部に通気層をとった漆喰仕上げの木の家の、標準的な構造のひとつと言えます。
構造の考え方により、合板ではなく筋交いを用いる場合もあります。

木の家では、木と漆喰すなわち自然素材を重要視しており、その部分の工事が多くなりかつ大切になります。


黒く見えているのがアスファルトフェルト、灰色の部分はモルタルを施工済み


和光DH北側の外壁 あと数日で漆喰が塗られるので、この状態にあるのはほんのわずかの期間。


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