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Great Urban Places in Asia 34 - シンガポール Singapore 1 [アジアの都市探訪]

 シンガポールは面積715.8平方キロメートル、人口530万人の都市である。非常に高密度の現代都市国家であり、世界で最も開発が進み、活力と多様性があり、管理が行きとどいた都市である。また、歴史的建築物の保存や再生にも目を向け、効果をあげている。

 シンガポールがアジアの他の大都市と最も異なる点のひとつは、イギリスの植民地として開発される以前は小さな漁村に過ぎなかったことだ。都市としての歴史は、1819年にラッフルズが上陸し、イギリスが開発に着手したときに始まった。シンガポールは最初から近代西欧的手法で計画された都市であり、それ以前は都市としての歴史がない。そのため全ての街路は計画的につくられ、自然発生的な細い路地などはない。

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シンガポール開発の創始者ラッフルズを記念したラッフルズプレイス。
超高層ビルが林立する金融街の中心にある


 シンガポールの都市景観にはふたつの大きな特徴がある。ひとつは19世紀中頃から20世紀前半にかけてのショップハウスやシンボリックな様式建築を中心とした低中層の街並み景観、もうひとつは現代のスーパーブロック型超高層大規模複合開発による景観である。このふたつがコントラストをなしながら共存し、他にはないシンガポールらしい都市景観が形成されている。中国人、インド人、マレー人、アラブ人などの人種を基とした多様な地域コミュニティの景観も、多民族都市国家である現代シンガポールの特徴である。

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歴史的建築物ショップハウスが連なる街並みの先に、超高層建築が見える

(続く)
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Great Urban Places in Asia 33 - ジョグジャカルタ Yogyakarta 4 [アジアの都市探訪]

ソスロウィジャヤン地区 Sosrowijayan District
 この地区はマリオボロ通りの北東側にあり、経済的なホテル、ロスメン、旅行代理店、ローカルレストラン、ネットカフェなどが狭い街路に沿って並んでいる。旅行者にとってジョグジャの主要な入口のひとつである鉄道トゥグ(Tugu)駅に近接していることもあり、ローカル色と国際色が親密に共存している。

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街の入口、ソスロウィジャヤン地区の安宿(ロスメン)とネットカフェは、
世界中のバックパッカーに大いに支持されている。


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Great Urban Places in Asia 32 - ジョグジャカルタ Yogyakarta 3 [アジアの都市探訪]

王宮周辺の伝統的居住地区
Traditional Residential Neighborhood around the Kraton and Taman Sari

王宮(Kraton)、タマンサリ(Taman Sari) 周辺には伝統的な形態の居住地区がある。タマンサリは水の宮殿とも呼ばれ、ジョグジャカルタの政治、宗教を司ってきたスルタンの宮殿である。マリオボロ通りから程近いところにあり、路地は狭く、車の通行が少なく静かであった。低層の住宅、ホテル、ロスメンというホームステイタイプの宿、バティック工房などが並び、道端は花や植物で飾られていた。

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コラム タマンサリ近くのコミュニティ

タマンサリ近くで、地図に載っていない迷路のような路地を歩いているうちに、住宅の中庭のような私有地に入りこんでしまった。住民は親切に、笑顔で通してくれた。経済的には裕福ではないが、親密で豊かなコミュニティの存在が感じられた。

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王宮周辺の地区。歴史的な建造物が多く残されて、静かな生活の場となっている

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王宮近く、市場の裏手に広がる伝統的な居住地区の屋根並み。地域の伝統的な風景が広がる。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 31 - ジョグジャカルタ Yogyakarta 2 [アジアの都市探訪]

マリオボロ通り Malioboro Street (Jalan Malioboro)

 建物の1階部分には連続した回廊が設けられ歩道兼商業スペースとなっており、Tシャツ、バティック(ジャワ紗羅)、装飾品、木彫り、食べ物などの店が並ぶ。その合間にテーブルと椅子が出され、食事できるところが多い。路面に直に座って食べるスタイルもここでは一般的である。

 夜になるとマリオボロ通りには数多くの人が出て、路面や街路樹周りのベンチ、食事用に出された椅子に座っておしゃべりを楽しむ。若者、おじさん、おばさん、老人、独り者、カップル、グループなどあらゆる人々が街にでて、まさに街が庶民の居場所という雰囲気である。路上ライブもあちこちで行われていた。

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マリオボロ通りで、若者たちによる民族音楽のライブパフォーマンス

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ジョグジャでは多くの人々が街に座り、街で語る

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夜遅くになっても、路上で語り合う若者たちの話は尽きない。


(続く)
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Great Urban Places in Asia 30 - ジョグジャカルタ Yogyakarta 1 [アジアの都市探訪]

 ジョグジャカルタはジョグジャとも呼ばれ、ジャワ島中央南部、海岸から約25kmに位置する古都であり、ジャワの美術、伝統工芸、音楽、芝居など文化の拠点でもある。郊外にはボロブドゥールやプランバナンなど世界遺産に登録された宗教遺跡がある。古来から政治的な拠点都市であり、クラトンと呼ばれる王宮には、イスラム教の宗教的・政治的権威を持つ今日でもスルタンが居住している。複数の大学があり学生が多い街でもある。

 ジョグジャカルタの市域面積は約46平方キロメートル、人口は約41万人で(2016センサス)、人口密度は高く、市域には中低層の建物が高密度に建てられ、拡がっている。

マリオボロ通り Malioboro Street (Jalan Malioboro)
 メインストリートであるマリオボロ通りに沿って、低中層の建物が立ち並ぶ。建築は近現代的なものが多い。デザイン様式は混在しており歴史的建築は少ない。高さは3~5階程度の中層でそろっているおり、高層建築はない。
 
 自動車は一方通行で、両側に歩道がある。歩道に隣接したレーンには自動車は通らず、片側は主に観光用の馬車、トゥクトゥクや自転車通行のほか、ライブバンド演奏などのスペースとして用いられ、もう片側は主にバイク駐車場とされていた。道路幅員がさほど広くないため人々は頻繁に道路を横断し、道路全体が一体的な空間となっている。

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マリオボロ通りは幹線道路として交通機能を担うとともに、住民が時を過ごす場でもある

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