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Great Urban Places in Asia 29 - ジャカルタ Jakarta 3 [アジアの都市探訪]

コタ地区の歴史的建築物

コタは17世紀にオランダが植民地経営の拠点として東インド会社を設立した地区であり、当時のコロニアル様式の建築物がまとまって存在している。しかしその保全や修復については、コタ駅近くのファタヒラ広場の周り以外はほとんど顧みられていず、荒れ果てたまま放置されているものが多い。

歴史的建築を活かした街並み整備よりも、それ以前の課題として、河川の浄化や道路の補修、清掃などの必要性が高い。川はごみが大量に浮かび悪臭を発し、歩くことを楽しめる環境ではなかった。水面のごみが燃えているところもあった。この地区の生活環境を整え水準を引き上げることが優先されるのは、当然のことのように思えた。歴史的建築の保存と再生には一定の経済力や社会的なゆとりが不可欠である。まず街路の補修と河川の浄化を行えば、水際遊歩道の整備や歴史的建築の修復と活用によって、水辺と歴史を活かした素敵な地区になる可能性は大いにある。

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(続く)
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Great Urban Places in Asia 28 - ジャカルタ Jakarta 2 [アジアの都市探訪]

都心のローカルコミュニティ

幹線道路沿道の大規模商業・業務の拠点に近いローカルコミュニティには歩行者がかなり多く、人、トゥクトゥク (Tuk-Tuk)、バイク、手押し車でごったがえしている。トゥクトゥクとは小型三輪自動車で、近距離用のタクシーのようなものだ。同様の車は東南アジア諸国にみられ、インドではオートリキシャ (Auto-Rickshaw)と呼ばれる。
路上には露店が多数出ている。路面は舗装されているところが多いが、凹凸も多い。大きな荷物を抱え背負って運んでいる労働者もいれば、ただ座って佇んでいる人もいる。

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路上には多数の露店が出て、その間を人やバイクが行き交う。

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幹線道路から歩いてわずか数分のところにあるローカルコミュニティ。
生活が街路や路地に露出している。

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路上では人々が歩き、ものを売り買いし、食べ、話し込んでいる。
路地や細い道には老人や、遊んでいる子どもの姿を多く見かける。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 27 - ジャカルタ Jakarta 1 [アジアの都市探訪]

ジャカルタ

 ジャカルタにはいくつかの旧名がある。そのひとつがバタビア(Batavia)で、17世紀にオランダの東南アジア植民地経営の中心都市とされた際に名づけられた。ジャカルタはそれを契機として大きく発展することとなる。現在ジャカルタはインドネシアの首都であり、急速な経済発展、人口増加の段階にある。ジャカルタ特別市の人口は960万人、首都圏人口は3,176万人に達し、世界で東京首都圏に次ぐ規模の大都市圏となっている。
 概略的に、ジャカルタ都心部はふたつのゾーンに分けられる。ひとつは幹線道路沿道で、大規模な再開発がすでに起こったか、あるいは進行中の地区である。広い区画に大型の建物が建ち並ぶ。道路境界からのセットバックは大きく、主に車回しや緑地帯などに使われている。歩道やセットバック空間には歩行者アクティビティは少ない。もうひとつは、幹線道路沿道街区から奥に入った、住宅を中心とする用途混合の低層地区であり、庶民の日常的な生活が展開されている。それらのゾーンは隣接しているが、その格差は極めて大きい。

チャイナタウン
 ジャカルタのチャイナタウンは小さい。幹線道路から少し入った位置にあり、狭い街路に面して小規模な建物が立ち並ぶ。ヒューマンスケールで、歩行者が暮らしやすい生活環境がある。
建築様式は中国式ではなく地元風であり、赤い提灯以外には中華風の装飾も少ない。植物も熱帯のものだが、中華の用品を扱う店舗、中華レストランそして人々の表情や声が、そこがチャイナタウンであることを感じさせる。

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ジャカルタ都心部のチャイナタウン。地元風と中華風の、商店や住宅が混在している

(続く)
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Great Urban Places in Asia 26 - デリー Delhi 4 [アジアの都市探訪]

コンノートプレイス Connaught Place

 コンノートプレイスはニューデリーの中心のひとつであり、イギリス植民時代の1920-30年代にイギリス人のためのシビックセンターとして建設された。外、中、内の三重の円形環状街路とその中心からの放射状街路を骨格とするシンボリックな都市・建築群で、ヨーロッパの伝統的な低層建築が円弧に沿って整然と並ぶ。高級店から露店までの様々な店舗やホテル、ビジネス、そして客引きが集積し、地下鉄の結節点でもある。
 外環の直径は約640メートルで、外環道路は自動車交通量が多い。
 内環に面しては高級店や店舗、オフィスなどが多く営業し、外環側もホテルやオフィス、店舗などが入居し現代商業都市の様相だが、中環は内環、外環に表の顔を向けた建物の裏側が多く露出している。
内環は最も賑わうところで、1階部分はセットバックし連続したピロティ空間がある。その周辺には多くの露店、屋台が出て、特に土曜日の夕方は非常の多くの露店、主に衣服類が路面に商品を広げ、周りを人が取り囲み、場所によってはまっすぐに歩けないくらいであった。
駐車場は環状道路に面してかなりの台数が設けられているが、いつも混雑しているようであった。路上駐車も多い。

 コンノートプレイスの中心部は直径約220メートルの円形の公園になっており、大きなインド国旗がはためいている。快適そうな緑地なのだが、警備のため出入口が制限されており、自由に出入りすることはできない。コンノートプレイスの周囲は、一部に業務・官庁街があり、他はその内側とは対照的な庶民的市街地が広がっている。

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コンノートプレイスの内環。ヨーロッパ様式の建築が並び、広い歩道と大きな街路樹があり、
高級店から露店まで様々なアクティビティがある

(続く)
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