SSブログ

Great Urban Places in Asia 109 - 上海 Shanghai 3 [アジアの都市探訪]

豫園と上海老街 Yuyuan and Shanghai Laojie
豫園は上海中心部の旧市街地区にある中国庭園で、16世紀に造成され、その後幾多の変遷を経て1961年に今日の姿となった。庭園の周囲は中国風建築による飲食店などが高密度で立ち並ぶ、豫園商城と呼ばれる商業街区となっている。かつての上海城の城下町の街並みを本格的に再現したものであり、多くの観光客が訪れる。
上海老街Shanghai Laojieは豫園に隣接した地区で、明の時代の建物を再現した建築が沿道に並び、土産物、宝飾類などの商店やレストラン、茶館として利用されている。こちらも、表層のみを時代風に装飾したものではなく本格的な再現で、多くの人々がそぞろ歩く。

yuyuan.jpg
豫園近くの上海老街。明朝時代の建物が本格的に再現されている。

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)
nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 108 - 上海 Shanghai 2 [アジアの都市探訪]

外灘 The Bund
 南京東路を東に進むと黄浦江という川に突き当たる。川沿い一帯のエリアは外灘と呼ばれる。19世紀末~20世紀初期のイギリス租借地であった時代に建てられた重厚な歴史的建築が並んでおり、高級レストラン、ホテル、商店、銀行などとして活用されている。
川沿いは約2kmにわたりプロムナードとなっており、早朝から深夜まで多くの人出で大変にぎわっている。プロムナードを歩くと片側には外灘の歴史的建築物群、対岸の浦東Pu Dong地区には現代的超高層ビルが並び、新旧対照の都市景観を楽しめる。浦東は1992年に旧来の区が統合して新区となり、それ以降大規模経済開発が行われて超高層ビルが並び、現在では上海の新しい都心となっている。外灘プロムナードは幅員15mほどでゆったりしており、座れるところが多く、露店も多数出て、人々は歩き過ぎるばかりではなくここで時間を過ごす。
夜は外灘側も浦東側も、多数の建築がライトアップされる。外灘側は歴史的建築の風情を活かすべくほとんどが暖色系で落ち着きある照明だが、浦東側は多色かつ変化する照明がガラスと金属の建築物を照射し、大型広告や大画面が輝度の高い点滅光を発する。夜も新旧の対比が大きく、それも現代上海を代表する表情のひとつである。

bund.jpg
外灘、黄浦江沿いのプロムナード。住民にも観光客にも人気の場。
背景には荘重な建築群が連なる。

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)

nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 107 - 上海 Shanghai 1 [アジアの都市探訪]

上海は中国南東部の沿岸、長江河口南岸に位置する。この地には古くから集落があり、13-14世紀には港町として発展を始めた。アヘン戦争後の1842年、上海は諸外国に開港された。それを機会としてまずイギリスとフランス、その後アメリカ、日本が上海に租借地を開き、外国資本が投下されて本格的な経済開発が始められた。その後外国からの投資の増加、租借地の政治的安定などにより、上海は1920~30年代には中国最大の都市となり、イギリス系の銀行などが集積して中国の金融中心となり繁栄した。1941年太平洋戦争が始まると、上海共同租界は日本軍により接収された。戦後の1949年に中華人民共和国が成立すると外国資本は上海から撤退したが、1950 - 60年代には工業都市として再び発展を始めた。1978年に改革開放経済政策が打ち出されて以降は海外からの投資も再開され、それ以来上海は急速な経済発展を続け、日々成長し姿を変えている。中国では1位、世界でもトップクラスの経済都市となっている。

南京東路 Nanjing Donglu
 南京東路は19世紀に上海が英仏などの租借地になって最初に開発された商業地区である。街路の長さは東西に約1.5km、幅は約30m。自動車は走らず歩行者専用道路になっており、人々であふれ、活気に満ちている。これだけ長い歩行者専用道路がこれだけ賑わっている例が他にあるだろうか。路上には、主に観光客を乗せた小さなトラムが行き来している。
沿道の建築は、租借地時代の欧風のものから現代的なものまで多様である。屋外広告や看板サインも中国伝統風あり、先端のデジタルサイネージありと多種多様で、古今東西の文化がエネルギッシュに混じり合っている。

上海1.jpg
南京東路-多くの人々が、歴史的な歩行者空間のそぞろ歩きを楽しむ。
絵の左前に描かれているのは、人を乗せるトラム

nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 106 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 11 [アジアの都市探訪]

九份 Jiufen (その4)

商業系の街の奥、山側には住宅地域があり、そこに巡らされた路地網がある。その幅員はさらに狭く歩く人は少ない。静かな生活空間となっている。住宅地の中には大きな寺院もあり、路地網の頂上には小学校がある。このような急峻な斜面に街を築くには大変な労苦があったことは、想像に難くない。生活も容易ではなかっただろう。街中の至るところに、人々が積み上げてきた労苦や喜びの痕跡が感じられる。

jiufen 1.jpg

jiufen 2.jpg
九份の街に広がる階段や路地。人々の生活の場として今も活きている。

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)
nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 105 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 10 [アジアの都市探訪]

九份 Jiufen (その3)

jiufen1.jpg
豎崎路沿いにある中華料理店

jiufen2.jpg
豎崎路を下から見上げる。
ここが国際映画祭で受賞した映画の撮影場所のひとつで、ビデオや写真の撮影スポット。

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)

nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 104 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 9 [アジアの都市探訪]

九份 Jiufen (その2)

豎崎路は斜面をほぼ垂直方向に、ジグザクに通る急な階段道で、沿道には中低層の料理店や土産物店が立ち並ぶ。 

jiufen2.jpg
歴史的建築である中華料理店の脇から豎崎路を見下ろす。
急斜面の階段をたくさんの人たちが行き来している。

nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 103 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 8 [アジアの都市探訪]

九份 Jiufen
 台湾にはにぎやかな路地のある街が多い。九份はその最たるもので、独特の地形、歴史、文化、生活がある。九份は台北の北東30kmほどに位置し、19世紀末の清朝時代に金の採掘が開始され、徐々に街として発展が始まった。日本統治時代に最盛期を迎え、急斜面を這うように街がつくられ、幅が狭く曲がりくねった路地網が張り巡らされ、商店街や住宅地が形成された。金鉱は1971年に閉鎖されその後街は衰退したが、1989年、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画「非情城市」のロケ地となったことを契機に、再び注目を集め始めた。若いアーティストらが九份に移住して創作活動を始め、来訪者が大幅に増えて観光化し、台湾でも有数の観光拠点となっている。
 路地網の基軸となるふたつのみち、水平方向の基山街Jishan Street、垂直方向の豎崎路Shuqi Roadはともに幅員2-3m程度で、沿道には間口の狭い飲食店、土産物店が並ぶ。みちと店舗・建物が一体化した空間で、多くの人たちでひしめき合い、店員の掛け声、湧き上がる湯気、店頭の灯り、食べ歩きする人々の会話などで大いに賑わう。もしこの場所で火事など起こったら大変なことになるだろうなと、ちょっと気になった。

jiufen1.jpg
九份のメインストリート基山街、狭い路地空間には人と熱気があふれる。

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)

nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 102 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 7 [アジアの都市探訪]

淡水(続き) Tansui (Cont'd)

淡水の街の先端には、漁人埠頭と呼ばれる小さな埠頭がある。かつて淡水は小さな漁村であったことが偲ばれる。その近くの集落には、廃屋になっている建物もあった。

tansui2.jpg
淡水 漁人埠頭付近、ノスタルジックな水景
nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 101 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 6 [アジアの都市探訪]

淡水 Tansui
 淡水は、台北中央部からMRTで約40分、淡水河口に位置する街である。中世にスペインが進出して築いた紅毛城、近世の歴史的地区淡水老街がある。淡水に港ができたことが、台北など川沿いの都市発展の契機となった。現在ではMRTが台北への通勤通学ルートになっており、沿線各地に商業施設の集積や高層高密度の住宅団地があり、新規の大規模住宅開発も進行中である。
MRT駅近くの淡水河岸には大きな広場とそれに連なる遊歩道、サイクリング道路が設けられている。歩行者、サイクリストともに非常に多いが、それでも十分なスペースがあり快適な広場である。沿道には飲食店やお土産店など様々な店が立ち並ぶ。淡水の対岸に渡るフェリーも人気で、長い列が出来ていた。
 淡水の中心市街地中心部は、川からやや上った段丘の上にある。表通り沿いには5~6階建ての商業ビルが並び、その背後に市場地区がある。市場街には地元料理の飲食店、服飾店、土産雑貨店などが多く、細い路地網は押すな押すなの大盛況であった。店は路地に開き店の奥まで見通せる。路地側に寄せて料理を作り商品を売るため、路地は活気にあふれる。一方、奥はガラガラの店もあった。3-4mほどの狭い間口を二つに分け、食品店と服飾店など異なる店舗で使っていることも多い。それにしても、台湾の市場では元気にきびきびと働いている女たちがなんと多いことか。
市場のある中心市街地の上部は急傾斜地となっており、そこには古く落ち着いた佇まいの住宅や寺院が集積している。その細い坂道を行くには、バイクがぴったりだ。
 河岸にある淡水老街には歴史的建築が残され、多くはリノベーションされレストランなどとして活かされている。河岸の遊歩道はそぞろ歩きをしたり、佇んで水辺の景色を楽しむ人たちが多く、カップルたちの良いデートコースになっている。

tansui.jpg
淡水老街 河岸に遊歩道が整備され、歴史的建築を活かしたレストランがオープン。


(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)
nice!(0)  コメント(0) 

Great Urban Places in Asia 100 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 5 [アジアの都市探訪]

永康街 Yong Kang Jie

 永康街は中層建築が並び、落ち着きの感じられる街である。建物の2階以上は主に住宅、一部は店舗やオフィスに利用され、1階は店舗が多い。台湾の伝統をベースに西欧風を取りいれてリノベーションされたスペースがあちこちにみられ、そこでは台湾雑貨店や欧米ブランド店、カフェなどが営業している。雑然とした庶民的雰囲気ではなく、伝統と現代が混じったデザインセンスが感じられる。一方でこの街にも古くからの地元台湾の店があり、人気の点心店には長蛇の列ができていた。
 永康街の一角に、古いヨーロッパの街を想わせる小さな公園がある。人があまり多くなく、屋外広告や看板特に漢字表記のものが少なく、暖色の照明、歴史的な建築ファサード、ゆったりしたベンチ、適度な密度でほどよく管理された植栽、大きな樹木、街路や建築は古いものが多く、ごみなどは落ちていない。人々は静かにベンチに座り、夕暮れ時をゆったりと過ごしていた。

台北1.jpg
永康街の小さな公園
何人かの人がベンチに座り、ゆったりと静かな夕べを楽しむ

(続く)
本書はamazon.co,jp 及び アメリカ、英国、カナダ、フランス、ドイツ、インドのアマゾンサイトで購入いただけます。(印刷版は日本のみ、kindle版は全ての国で可能)
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。