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Great Urban Places in Asia 99 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 4 [アジアの都市探訪]

雙連路上市場 Shuanglian Street Market (その2)

 市場のある通りからはたくさんの路地が出ている。奥の方は基本的には住宅地で、その中には古くからやっている食堂もある。路地は狭く建物が密集しており、日が当たらないので昼間でも暗い。個々の住宅には駐輪場がないので、路地に数多くのバイクが留められていた。
公園の中にもいくつか飲食スタンドが出ているが、路上の混雑とはうって変わり、ゆったりとしている。人々はベンチで新聞を読んだり散歩をしたりして、日曜日の朝を過ごしていた。

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雙連 市場通りの中央にある公園。この下に地下鉄駅がある。


(続く)
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Great Urban Places in Asia 98 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 3 [アジアの都市探訪]

雙連路上市場 Shuanglian Street Market

雙連は地下鉄MRTで台北駅から2駅、台北の都心部にある。雙連駅の上部は細長い線形の公園とされ、公園の両側は街路になっている。その沿道には飲食店や物販店などの地元店が立ち並び、多くの露店が道に出て大きなパラソルを広げ、路上の市場となる。朝から多くの人出で威勢の良い声が飛び交い、やっと通り抜けられるほどの混み合いである。商品は野菜果物、肉、惣菜、それに衣服や装飾品もある。朝食を出す店も数多い。週末は特に賑わうようだ。多くの人たちが露店周りに出された椅子に座ったり近くに立ったり、道路の縁に腰かけたりして食事をとっている。

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雙連の路上市場には多くの人たちが集まり、店と街路は一体的な場となっている

(続く)
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Great Urban Places in Asia 97 - 台北と周辺地域 Taipei and Vicinity 2 [アジアの都市探訪]

迪化街歴史地区 Di Hua Jie Historic District その2

迪化街にある広場。多くの人たちが、屋外の店先や屋台で食事を楽しむ。

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(続く)
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Great Urban Places in Asia 96 - 台北と周辺地域 Taipei and vicinity 1 [アジアの都市探訪]

台北 Taipei 迪化街歴史地区 Di Hua Jie Historic District

 迪化街は台北の代表的な老街、歴史的街並みの保存地区であり、東西約200m南北約700mの拡がりをもつ。清朝末期の19世紀半ばから商店が建ち始め、その後の日本統治時代に道路整備などが行われ、それに伴って本格的な街並みが形成された。現在残されている建築の多くはその時代のものである。
建築は隙間なくきっちりと壁面線を揃え、間口は狭く奥行きは深く、高さは2階もしくは3階建て。1階はセットバックして小売店や飲食店が並び、その前は歩行者通路として用いられる騎楼すなわち連続した回廊になっている。これは台湾のみならず香港やシンガポールなど東南アジア各都市に共通してみられるが、迪化街では1900年に幅および高さが法令で規定された*1。店は騎楼に対して完全に開き、回廊が商品を眺め選ぶ店先空間ともなっている。一部には商品が並べられたり、飲食スペースになっているところもある。この空間は、従来は公共物として位置づけられていたが、1999年以降は店舗による買戻しと私有が認められており、公私の区分は曖昧になっている*2。
 建築は清朝時代、日本統治時代、戦後に建てられたさまざまな様式が混在しているが、その面が建築の顔として際立ち特徴的な表現を持つ「看板建築」で、装飾は中国様式のものから西洋風それもバロック、アールデコなど多様である。構造は組積造もしくは新しいものでは鉄筋コンクリート造で間口は5.0-5.5m程度で概ね一定に保たれ、柱4本の間に縦長の開口部3つという基本プロポーションがほぼそろっている。建物の1階軒先にはオーニング、その上に看板、2階部分には袖看板もしくは突出し看板が設けられているものが多い。
迪化街には新築はほとんどなく、その代りリノベーションがなされあるいは施工中のものはあちこちに見られた。中国の歴史的意匠に現代的要素を巧みに取りいれた優れたデザインが多い。複数の店舗が中庭を介してつながり、通り抜けができる店舗内路地もあった。
アジア太平洋戦争ではこの一帯は空襲を受けずに済んだため、旧来の建築が残されることとなった*3 。戦後は、街路が旧来の狭隘なままであったことなどから1970年ごろから衰退し再開発の計画もあったが、反対運動により実施さなかった。2000年には景観保護区域の指定を受け*3、その後建築物の補修や改修が進み、今では台北を代表する観光スポットのひとつとなっている。
まちかどにある広場には沿道の食堂がテーブルを出しあるいは露店が出て、人々は立ったまま、あるいはベンチであるいは小さなテーブルを共有しながら屋外で食事をとる。これも日常的な風景である。

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迪化街の街並み 台北の代表的な老街
街並みの統一性がありながら、各建物のファサードは異なる表現をしている。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 95 - マカオ Macau 5 [アジアの都市探訪]

下町的な中層住宅街 Low-Mid Rise Residential Downtown (その2)

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マカオの住宅市街地
煉瓦造、一部はモルタル仕上げの古い建築もあり、かつての街の佇まいが随所に残されている。

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リラウ広場横の路地。昔からの石畳の路で、パブリックな広場からプライバシーが高い住宅へとつながっている。


(続く)
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Great Urban Places in Asia 94 - マカオ Macau 4 [アジアの都市探訪]

下町的な中層住宅街 Low-Mid Rise Residential Downtown
 マカオは人口密度が非常に高く、したがって建物密度も高い。狭い街路に面して中層の住宅が隙間なく立ち並ぶストリートキャニオンになる。日はあまり当たらない。建築の大半は20世紀中~後半に建てられたと思われるコンクリート造である。窓には格子が取り付けられ、その外側に干された洗濯物や、隙間から垣間見える家財類などから、高密な生活の場であることが感じられる。みちを歩く人やそこで遊ぶ子どもは、あまり多くなかった。
マカオの街はいくつかの丘にまたがってつくられている。みちはなだらかな勾配のところが多いが、ところどころには大きな高低差があり、階段で結ばれている。

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高い位置にある街路と、下の路地をつなぐ階段。
ストリートキャニオンの底に路地が伸び、折れ曲がって街の中に消えていく。


(続く)
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Great Urban Places in Asia 93 - マカオ Macau 3 [アジアの都市探訪]

福隆新街 Rua de Felicidade
 セナド広場から徒歩5分ほどにある街路で、延長は200メートル、街路幅は4-5メートルほど。赤い格子窓や扉が特徴的(絵ではわかりませんが)で、伝統的意匠の中華風2階建ての長屋街である。長屋は延々と連なり、長いところでは100メートル以上に及ぶのではないだろうか。ここはかつて遊郭であった。今はその建物を保全・再生したレストランや店舗が集まった観光スポットになっている。

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福隆新街 中華風長屋の長い壁面が連なる

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Great Urban Places in Asia 92 - マカオ Macau 2 [アジアの都市探訪]

聖パウロ教会遺跡前広場 Square at the foot of Ruins of St. Paul's Cathedral
 この遺跡はマカオを代表する観光拠点であり、しばしば観光ポスターに登場し、マカオの他の文化遺産とともに世界遺産に登録されている。旧聖パウロ教会の建物は正面の壁面のみ現存し、建物本体があった場所の地下には博物館や納骨堂が設けられている。
丘上から下を見下ろすと、階段の足元にも広場がある。土産物店や露店に囲まれ、セナド広場方面からの観光客がどんどん流入してくる。この階段は世俗的な下界との結界でもあった。

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聖パウロ教会遺跡から、階段下の広場を見下ろす


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Great Urban Places in Asia 91 - マカオ Macau 1 [アジアの都市探訪]

 マカオは16世紀からポルトガルの影響下にあり、アジアにおける貿易やキリスト教布教の拠点であった。19世紀中盤からポルトガルの支配力が強まり、1887年にポルトガルの植民地とされた。中国大陸のヨーロッパ諸国の植民地の中ではもっとも古く、植民地時代の遺構が数多く残されている。2005年にはマカオの8つの広場と22の歴史的建造物がマカオ歴史地区という名前でユネスコの世界遺産に登録された。日中戦争から第2次世界大戦の時代、マカオは中立国ポルトガル領であったため戦争に巻き込まなかったことは、それらの文化遺産が今日まで残されたひとつの要因といえよう。ポルトガル語は現在でも中国語と並び公用語として使われており、植民地時代の法律の多くも適用されている。
戦後、ポルトガルの国力の衰退、住民による自治の進展、マカオの貿易港としての地位低下などにより、ポルトガルはマカオを植民地として維持することの関心が薄まった。1987年にポルトガルと中国政府はマカオ返還について合意し、1999年にマカオは中国の特別行政区となった。しかし100年以上もポルトガル領であったため、街全体に中国とポルトガルの文化が古くから融合した成熟感に満ちている。

セナド広場 Senado Square
 マカオの街の中心にあり、最もにぎわう場である。正面の街路に対して短辺側が接した細長い三角形をしており、奥は折れ曲がって路地につながっていく。広場に面して中世ヨーロッパ風の低中層建築が並び、1階部分は小売店舗や飲食店であり、ヨーロッパの古い街のような景観である。路面はモザイク状のタイル仕上げで、白と黒の曲線模様が美しい。この模様はマカオのあちこちにあり、他のポルトガル文化圏でも見られる。
 日曜の朝、午前10時ごろから人々が集い始める。それぞれ、思い思いの場所に座って寛ぐ。午後になると香港や中国大陸、欧米からの多くの観光客が押し寄せ、座る場所はもうほとんど残されていない。

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日曜日の朝、クリスマスシーズンのセナド広場

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Great Urban Places in Asia 90 - 香港 Hong Kong 10 [アジアの都市探訪]

スターフェリー Star Ferry
 大陸九龍側の尖沙咀と香港島の中環、灣好を5~10分程度で結ぶフェリー。開業は1888年と長い歴史を持ち、尖沙咀の旅客ターミナルは歴史ランドマーク的な存在で、波止場という呼称が良く似合う。超高層ビル群を背景にフェリーが湾を渡る姿は香港ならではの光景である。
九龍と香港島が地下鉄MTRでつながっている今でもフェリーは頻発され、観光、生活、ビジネスの重要な足となっている。

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ビクトリア湾を航行するスターフェリー。ノスタルジックでありながら実用性も高い。


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