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Great Urban Places in Asia 42- シンガポール Singapore 9 [アジアの都市探訪]

アラブストリート周辺 Arab Street Neighborhood
 この地区は旧称カンポン・グラムKampong Gelamといい、ラッフルズがシンガポールに来る前から村があった。後年、シンガポールで最大のイスラム寺院スルタン・モスクSultan Mosqueが建てられ、現在ではイスラム色が濃い地域となっている。通りによって特徴が分かれ、テキスタイル店が多い通り、マレー系などのレストランが多い通り、雑貨店が多い通り、住宅街などがある。
シンガポールは民族的には華人系が70%強を占めるが、マレー系やインド系住民も多く、欧米などからのビジネス滞在者も多い。小さな国だが多国籍多民族が暮らしており、大規模な商業系再開発地区や高層公団住宅が多い中にあって、民族色の濃い街も個性的に存在している。

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アラブストリート近くの静かな住宅街。観光客が多いストリートのすぐ隣にある。
正面はスルタン・モスク

(続く)
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Great Urban Places in Asia 41 - シンガポール Singapore 8 [アジアの都市探訪]

チャイナタウン Chinatown

 世界どこでもチャイナタウンには密度と活気、庶民性、エネルギーがある。シンガポールも例外ではない。中国系民族は、シンガポール最大の人種グループでもある。
 シンガポールのチャイナタウンは地下鉄駅前にある中核的なショッピングセンター・住宅複合施設と、その周囲にあるショップハウス街区で形成されている。ショッピングセンターはオーチャードロードやマリーナベイのものとは全く異なる庶民の日常的なもので、大変な活況を呈している。
 チャイナタウンは「牛車水」cow cart waterという別名で知られている。これは、チャイナタウンの水は、19世紀には動物に引かれた車によって供給されていたことに由来する。この地には、14世紀にすでに中国人の集落があった。シンガポールが創設された1819年から数十年程度以内でこの地に人口集中が進み過密状態になった。ラッフルズは、中国人がこの地域における主要な民族になることを見通し、シンガポール川河口の南西部一帯を中国人の居住に供することとした。それによりこの地域がチャイナタウンとして確立することとなった。チャイナタウンの開発が本格的に始まったのは1843年、行政が土地を取得あるいはリースを受けて住宅やショップハウスの建設を開始してからである。1960年代になると、HDBが主導して住民の移住を進めたため、過密問題は緩和されたが、現在でも高密度な状態が続いている。
 ショップハウス街区の一部は観光客向けの土産店、飲食店街になっている。そこには華人の生活があふれているが、マレーやインド系の人も少なくない。ショップハウスは元々の形状や装飾のまま赤、青、茶、黄色、緑、ピンクなどに塗られ、中華風の看板が取り付けられている。基調色は白か淡いパステルカラーが多い。店舗はみちに向かって大きく開き、庇が連続して掛けられ、土産物や椅子テーブルはみちにせり出し、路上には紅白提灯がぶらさがるなど、すっかり中華風にアレンジされ馴染んでいる。元来の窓廻りのデザインは、ヨーロッパの影響を受けていると見られるものも多い。
 現在は、チャイナタウンの大部分は国の歴史遺産地区national heritage sitesに指定され、保存対象となっている。

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歴史的建築ショップハウスが中華風やエスニック風に装飾され、独特の雰囲気を生み出している。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 40 - Singapore 7 [アジアの都市探訪]

オーチャードロード Orchard Road

シンガポールの豊かさを代表するファッショナブルな通りで、シンガポールのメインストリートといってよい。大規模でハイエンドのショッピングセンター、ブランドショップ、ホテルが並ぶ。長さは3キロメートルにも及ぶ。大きな街路樹の下を、世界各地からの観光客が行き交う。街路の全幅は約30メートル、歩道幅は6-7メートル程だが、沿道の商業施設が広いセットバックを取っており、歩道と一体化した広く連続した歩行空間が設けられている。それでも、アクティビティの密度は高い。
街路樹は高く、葉張りは大きい。葉の密度がやや低い常緑樹で歩道を天蓋のように覆い、熱帯都市らしい雰囲気を醸し出している。自動車レーンは5車線あり、一方通行とされている。

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オーチャードロード。広い歩道に高木の街路樹が続き、世界から裕福な観光客が集う。
沿道にはブランド店、大型ショッピングセンターが連なる。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 39 - シンガポール Singapore 6 [アジアの都市探訪]

マリーナベイ Marina Bay

 シンガポールはアジア、世界の金融・ビジネスセンターとして成長を続けている。1970年代から、シンガポール政府とURA urban redevelopment agencyはマリーナベイの一部を埋め立て、中心部の拡張を図ってきた。都心部にはすでに超高層ビルが林立しており、さらなる開発が内湾周辺のマリーナベイ地区に展開されている。2017年時点では大規模な商業複合施設と公園がオープンしている。
 3本のタワーが頂部の船でつながったかたちのマリーナベイサンズは2010年オープンで、カジノ、高級ショッピングセンター、ホテルの複合商業施設である。「未来都市」を実現したようなイメージで、現代シンガポールの代表的なアイコンとなった。この構想、規模、ダイナミックな形状と存在感には驚かされる。ディテールデザインはモダンでシンプルに見えた。
 街区と建築のスケールは巨大で、平面的にも立面的にもヒューマンスケールをはるかに超えている。遠景としてもインテリアとしてもダイナミックで興奮を覚えるが、毎日ここを歩くとしたら退屈かもしれない。地下鉄駅までの距離は長く感じられる。
 これらの施設の運営には非常に高度の維持管理とプログラムが必要になる。徹底して管理された人工的空間であり、世界トップクラスの経済力と技術力があってこそ実現される空間だ。内湾のマリーナベイに面する広々としたウッドデッキは、住民や観光客など多くの人々の集いの場となっている。シンガポールは一年中暑いので、夜に集える屋外空間は人気が高い。このデッキは大規模商業施設の一部だが無料で誰もが使えるパブリックスペースであり、現代シンガポールの夜を体験し楽しむ場となっている。

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マリーナベイサンズ前の大型ウッドデッキ。多くの人たちが集う。
水上ではレーザービームも交えた光、水、炎、サウンド、映像のショウも行われる。

 1970年代から1980年代の終わりにかけ、シンガポールでは現代建築が都市開発の主役となった。初期のタイプの商業超高層建築が今も残っており、後年にはポストモダン様式の超高層も建てられ、都心部は超高層建築の見本市のようになっている。2016年に、シンガポールで最も高いタワーであるTanjong Pagar Centreが建設された。それまでは建築の最高高さはそれ以前に建設された3つの最高タワーにあわせて280mに制限されていたが、この建築はそれを超える290mであった。近年では、シンガポールのみならず世界の都市で目立つ建物distinctive structuresが志向されるようになり、それによって都市のイメージを国際的に高める競争がおこっている。その代表例がmarina bay sandsであるといえよう。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 38 - シンガポール Singapore 5 [アジアの都市探訪]

マーライオンパーク Merlion Park

 シンガポールの中心部(セントラルエリア)、シンガポール川河口近くにあり、世界的に有名なマーライオン像がある水際の小公園。都心部は、1819年にラッフルズRafflesがシンガポール島に到着して間もないうちに最初の集落が形成された地区である。今日、マーライオンを前景にした都心ビル群は、世界有数の金融都市としてきらびやかな景観を呈している。

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マーライオンパークから、内湾を隔てたマリーナベイ地区を臨む。
対岸で行われるレーザーショーを楽しむにもちょうどよい。


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Great Urban Places in Asia 37 - シンガポール Singapore 4 [アジアの都市探訪]

クラークキー Clarke Quay
 ボートキーの0.5~1kmほど上流にあり、様々なバー、レストラン、ライブハウス、ナイトクラブ、遊戯施設などが集積した一大娯楽ゾーン。多種多様なイベントが随所で行われる。金曜夜にはあちこちで大音響のライブがあり、多数の若者たちが路上や橋上に集い座り込んで語らい、トロピカルシティの熱気は深夜過ぎまで渦巻く。
 クラークキーの名称は、1873年から1875年までシンガポールの2代目提督であったアンドリュー・クラーク(Andrew Clarke)による。英国植民地時代にはボートキーが商業の拠点であり、そこで荷物が大型船からはしけに積み替えられ、クラークキーの倉庫に運ばれた。最盛期には、多数のはしけがクラークキーに集結し、その状況は20世紀半ば過ぎまで続いた。しかしパシール・パンジャン Pasir Panjang に近代港湾が建設されると、ボートキーと同様にクラークキーの港湾機能は失われた。
 政府は1977年から10年かけて川の浄化を行い、この地を商業及び居住の中心地区として再生することとした。再生計画においては、古い建築物は活かし、新しいものはこの地区の歴史的建築物の特徴を活かすことが義務付けられた。
 1993年、クラークキーはフェスティバルビレッジとして再生され、シンガポール川地域で最大の歴史保全型プロジェクトとしてオープンした。その後、クラークキーの所有と運営は民間ディベロッパーに委ねられ、商業の再活性化を図るために川沿いの修景、ショップハウスのファサードデザインなど建築外装の更新、テナントミックスが図られた。この再生プロジェクトは2006年に完成し、かつてはしけが群がっていた川岸に水上パブやレストランが並んでいる。

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クラークキー
シンガポール川の右岸(絵では奥のほう)が主な場所だが、橋の上にもたくさんの若者たちが立ち、
あるいは座り集まっている。人、光、音響どれも密度が濃く、熱い。


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Great Urban Places in Asia 36 - シンガポール Singapore 3 [アジアの都市探訪]

ボートキー Boat Quay(続き)

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川に面してレストランやバーが並び、その後ろに通路があり、通路を挟んだ側にも
オープンスタイルのレストランが連なる。店と通路は一体的なにぎわいの場となる。

 1819年にシンガポールが創設されて以来、シンガポール川河口は貿易の拠点であった。
 それ以前このエリアは湿地帯で、多数の水上小屋が建てられていた。ラッフルズはこの区域を中国人居住地Chinese settlementとして開発することとし、現在Raffle’s Placeがある場所にあった小高い丘から土砂を採り埋め立てた。ボートキーは1842年に完成し、多数の中国人、主に貿易商と労働者が住み着いた。その後ボートキーはシンガポールの経済成長に伴って大いに繁栄した。水上には多数のはしけがひしめき、限られた係留施設を求めて争った。その繁栄は19世紀後半から20世紀半ばにピークを迎えたが、貨物取扱量が増えて港湾機能が不足するとともに、シンガポール川の汚染もひどくなった。そこで政府は近代的な港湾施設を10kmほど西にあるパシール・パンジャンPasir Panjangに建設することとした。1980年代に近代港湾が完成し、ボートキーから港湾機能が失われ衰退が始まった。

 1986年にUrban Redevelopment Authority URAはボートキーの保存と再生計画を発表した。マスタープランをつくり、シンガポール川河口一体の環境を修復することを意図したものであった。2~3階建てのショップハウスは、1階部分の5フィートセットバックを含めて保全・修復され、新しいビジネスを誘致することとされた。その計画は90年代を通して実施され、今日のにぎわいに至っている。


(続く)
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Great Urban Places in Asia 35 - シンガポール Singapore 2 [アジアの都市探訪]

ボートキー Boat Quay

シンガポール川河口南岸を中心にレストランやバーが集積し、リバーサイドのプロムナードには人々がそぞろ歩き、寛ぐ。ここはシンガポールで最も早くから開発された地区である。川沿いに歴史的様式の低層建築であるショップハウスやオープンレストランが連なり、その背景には金融街の超高層ビル群がそびえる、いかにもシンガポールらしい景観が拡がる。
夜はカップルがリバーサイドに静かに佇み、ビジネスマンたちはドリンクを手に交流し、世界各地からの観光客が宴を囲むなど、昼とは異なった表情を見せる。

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ボートキー。水辺にレストランやバーが並び、その背後は金融街シェントンウェイの超高層ビル群。

(続く)
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Great Urban Places in Asia 34 - シンガポール Singapore 1 [アジアの都市探訪]

 シンガポールは面積715.8平方キロメートル、人口530万人の都市である。非常に高密度の現代都市国家であり、世界で最も開発が進み、活力と多様性があり、管理が行きとどいた都市である。また、歴史的建築物の保存や再生にも目を向け、効果をあげている。

 シンガポールがアジアの他の大都市と最も異なる点のひとつは、イギリスの植民地として開発される以前は小さな漁村に過ぎなかったことだ。都市としての歴史は、1819年にラッフルズが上陸し、イギリスが開発に着手したときに始まった。シンガポールは最初から近代西欧的手法で計画された都市であり、それ以前は都市としての歴史がない。そのため全ての街路は計画的につくられ、自然発生的な細い路地などはない。

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シンガポール開発の創始者ラッフルズを記念したラッフルズプレイス。
超高層ビルが林立する金融街の中心にある


 シンガポールの都市景観にはふたつの大きな特徴がある。ひとつは19世紀中頃から20世紀前半にかけてのショップハウスやシンボリックな様式建築を中心とした低中層の街並み景観、もうひとつは現代のスーパーブロック型超高層大規模複合開発による景観である。このふたつがコントラストをなしながら共存し、他にはないシンガポールらしい都市景観が形成されている。中国人、インド人、マレー人、アラブ人などの人種を基とした多様な地域コミュニティの景観も、多民族都市国家である現代シンガポールの特徴である。

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歴史的建築物ショップハウスが連なる街並みの先に、超高層建築が見える

(続く)
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Great Urban Places in Asia 33 - ジョグジャカルタ Yogyakarta 4 [アジアの都市探訪]

ソスロウィジャヤン地区 Sosrowijayan District
 この地区はマリオボロ通りの北東側にあり、経済的なホテル、ロスメン、旅行代理店、ローカルレストラン、ネットカフェなどが狭い街路に沿って並んでいる。旅行者にとってジョグジャの主要な入口のひとつである鉄道トゥグ(Tugu)駅に近接していることもあり、ローカル色と国際色が親密に共存している。

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街の入口、ソスロウィジャヤン地区の安宿(ロスメン)とネットカフェは、
世界中のバックパッカーに大いに支持されている。


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