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スリランカの古都キャンディ [世界のまちかど]

都市計画関係の仕事で、スリランカの古都キャンディを訪問しました。
仏教の聖地仏歯寺があり、夜明け前の礼拝に多くの人が参集します。
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キャンディは世界遺産に指定された都市で、数多くの歴史的建築物がありますが、ファサードが大きな看板に隠されているものも少なくありません。
建築と看板.jpg

人口13万人ですが広域的な中心都市で、非常に活力があり、人も車も大変に多く、にぎわいを見せています。バスは走っている台数も乗っている人も多いです。日本では、人口規模が同程度の地方都市でこれだけ歩行者やバス利用者が多い街はまずないでしょう。
キャンディの町と人.jpg

人の生活が街に滲み出していますが、公共空間でくつろぐのではなく、仕事や生活などに必要なため街を歩いているという感じです。午後1:30過ぎになると下校した多数の生徒たちが道端で迎えを待っています。
バスを待つ学生.jpg

大阪城大手門 柱の継ぎ手 ほか [世界のまちかど]

昨日出張で大阪に行った際、大阪城を散策してきました。大手門の控え門の門柱は、左右2本とも継ぎ木により補修されています。向かって右側はごく普通の継ぎ手ですが、左側(写真)は一見どのようにして組み合わさっているのかわからない、複雑な継ぎ手となっています。
大阪城継ぎ手.jpg

下は右側の柱、特に変哲の無い継ぎ手。
大阪城継ぎ手(普通).jpg

私は今回初めて見たのですが、だいぶ前から話題になっており、X線で解析した結果、その構造が明らかにされています。たとえば次のサイトに詳しく説明されています。
http://galleryimpossible.com/outemontugite.htm

施工は大正12年との記録があります。なぜこのような継ぎ手としたのかは明らかでないですが、この補修に関わった設計者や職人たちの高い技術、心意気やしゃれっ気を感じます。

大阪城の天守閣は、初代の豊臣秀吉が建造したものは大坂夏の陣で徳川氏の攻撃により焼失、2代目は徳川氏により再建されたが落雷による火災で焼失、3代目は昭和6年に大阪市によって鉄骨鉄筋コンクリート造で造られ、その後平成9年の耐震補強を含めた大修理で現在に至ります。現在の天守閣もすでに建造後80年以上経っており、歴代の大阪城天守閣では最も長命で、登録文化財に指定されています。大修理の際、バリアフリー対策のため、ガラスと鉄骨造のエレベータが設けられています。見た感じ違和感がありますが、建設時代の最新技術を取り入れるという点では良かったかもしれません。昭和初期にあわせたクラシックなエレベーターデザインという手もあったかも。
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これは大阪市水道局の大手前配水場。昭和初期のアールデコを感じさせるデザイン。配水施設のため、金網に囲まれて近くに寄れないようになっているのが少々残念。近くには、他にもさまざまな近代建築が残されています。
大阪城配水施設.jpg

これは大手門近くの公衆トイレ。コールテン鋼による自由な造形。
大阪城トイレ.jpg

大阪城公園というと天守閣や石垣が主役として目立ちますが、さまざまな時代の個性的な脇役たちに目を向けてみると面白い発見があります、


東京下町 戦災で焼失しなかったエリア [世界のまちかど]

東京の下町、台東区は広く空襲で焼失したが、上野に近い御徒町から稲荷町あたりにかけての一帯に被災しなかった区域がある(地図の白い部分)。そこには戦前から存在していたとみられる建築や路地ががあちこちに残り、今でも使われている。

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銅板葺き看板建築の長屋

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薄型看板建築

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狭い路地が残され、住民によって緑がていねいに管理されているところもある

地区の一角には佐竹商店街がある。アーケードがかかり昭和レトロの雰囲気で、元気に営業しているお店も少なくない。この甘味・軽食堂は昭和35年(1960) から営業されているとのことで、焼きそば+アイスクリームセットで500円、これで本当に大丈夫なんですか?という値段だった。
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やはり戦争で焼失を免れ、今日まで存在してメッセージやサービスを発していることの意義は大きい。続けることは大変だろうが、なんらかのかたちで次の世代に継承していただきたいものだ。

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地図は「戦災消失区域表示帝都近傍図(昭和21年)国際日本文化研究センター所蔵」。


南池袋公園 [世界のまちかど]

南池袋公園の芝生が開放されたというので、ちょっと立ち寄ってみた。

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2月にリニューアルオープンした直後にも芝生開放期間が数日あり、その時は足の長い濃い緑の豊かな芝に驚いた。その後養生のため立ち入り禁止とされていた。

この時期なので、日陰が無い芝生空間はかなり暑い。じっと座っている人はほとんどいなかった。
また、かなり刈り込まれているので、直接座るにはあまり向かない。短時間の遊びなら良さそうで、夜になったら涼しくなり良さそう。

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一方、中高木があるデッキ部分は、風も吹き抜け快適。かなりの人たちがくつろいでいた。

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レストランは人気で、特にチキンバーベキューが目を引く。
その横には、暑さにも関わらず、屋外で食事する人たちが多い。
この収益の一部は公園に再投資されるしくみとのこと。

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この公園の特徴は、やはり広い緑の空間とレストラン、ウッドデッキ。若いカップルが集うにふさわしい、おしゃれな設えで、これまでの池袋のイメージを刷新した。これをひとつの契機に、まちがどんどん変わっていく気配を感じる。

これまでの公園というとお決まりの(だいぶ古びた)概念の児童遊園であったが、まちを使う人たちのニーズを読み取り応えている。シンプルな空間構成も良い。

百貨店の屋上庭園 [世界のまちかど]

池袋西武百貨店の屋上庭園には、モネの蓮池をテーマとしたランドスケープ(ルーフスケープ?)が施されている。
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植栽がない部分の床タイルは蓮池をイメージした色合いで、そこに浮かぶ蓮のように低床ウッドデッキが配され、そこが飲食席になっている。

円形の水盆があり、その縁がテーブルになっており、水面はテーブル面とほぼ同じ高さ。さすがに昼は暑くて使われていないが、夜は快適で、満席であった。
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昔はデパート屋上と言えばミニ遊園地的な家族の遊び場であったが、今では新たな客層をターゲットとし、エコロジカルで斬新な場が志向されているようである。

金沢の初夏 [世界のまちかど]

連休中に、約30数年ぶりに金沢に行ってきました。北陸新幹線開業で首都圏からはぐっと近くなりました。好天に恵まれ、終日金沢のまちを歩き、堪能しました。
コンパクトな中に賑わいの市街地があり、豊かな食文化があり、多様な歴史、自然的環境があり、またそれらを守る努力があるまちです。

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長町武家屋敷

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東茶屋街


カトマンズのパブリックライフ [世界のまちかど]

5/2(Sa) ハーツ環境デザインにて、カトマンズ及び周辺地域の建築や都市、ランドスケープなどについて(震災前)、先月撮影してきた写真をみながら語り合う会を持ちました。8名の参加でした。カトマンズの都市や建築の実測経験があり、関連著作もある背景計画の井上さんも参加してくださり、深みのある会になりました。ネパールカレーや手作りキッシュ、ローカルスナックなどみなさんの持ち寄りフードもよかったです。カトマンズで購入してきたマサラチャイも味わっていただきました。
ネパールには建物の前などに「縁側」のように座れるパブリックスペースが多様多数にあり、そこで人々が生活を共有しています。とても豊かなパブリックライフがあり、それを支えるパブリックスペースになっています。
人々の平和な日常生活が一日も早く戻るよう、お祈りします。

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Jane's Walk in Tokyo 2015 向島 [世界のまちかど]

世界各地で、Jane Jacobs のまちづくりに対する思いを共有するなどのために行われるJane's walk に、主催団体のひとつである明治大学の教員として参加しました。僕たちのチームは「五感を使い素描する」をテーマに、向島・京島地域を見、聞き、嗅ぎ、感じ、味わいました。
向島、京島エリアは小さなスケールで柔らかに包まれ、人々の生活が路地ににじみ出てとても心地よいところです。昼食のもんじゃやおやつのコッペパン、団子などもおいしいものでした。
スカイツリー開業後は地上げ、再開発が進み、まちの姿が大きく変わりつつあるとのことでしたが、このまちらしさを保持継承できる、まちの再生であってほしいものです。

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キラキラ橘商店街。選挙の日曜日ということもあり、静かだった。

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てんぷら屋の店先に看板、陳列ケース、植栽、提灯など、さまざまな手作り感でいっぱい。

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菓子作りにつかう木枠やすのこが店の脇に陰干しされていた。団子を賞味。

カトマンズ アサンチョーク [世界のまちかど]

カトマンズの朝は早い。夜明け前から多くの人々が出て祈りをささげ、また、露店の準備をしている。歴史的建築に囲まれた辻広場で宗教と生活が一体化し、今日も新しい1日が始まる。
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午後~夕方になると人、バイク、車、さらに犬の往来は一層増して、混沌とした中に人々のエネルギーが渦巻いた場となり、日暮れ過ぎまで続く。
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京町屋が残り活かされたまち [世界のまちかど]

京都中心部、四条烏丸近くのおばんざい料理店に行く機会があった。四条通りや烏丸通りなど大通りに面する建物の多くは現代建築に建て変わっているが、一本奥に入るとまだまだ町屋が残り、活かされている。
この通りには町屋を改装した料理店が並び、京都らしい風情が感じられた。
貴重な都市空間であり、この夜も多くの人たちが訪れていた。
店の料理、おもてなしも良かった。
規模よりも質を重んじたこのような使い方によって、京都の魅力が長く保ち続けられているのだろう。

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