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黒潮町の津波防災対策

黒潮町は太平洋に面する高知県西部の町で、かれこれ十数年来、まちづくり関係の仕事だけではなく様々なお付き合いをいただいている。黒潮町では津波の最大高さが34mと想定され、津波避難道路、高台への避難階段、避難タワーなどが町の総力を挙げて整備されつつある。2/21-23に、客員を務めている明治大学都市計画山本研究室、逃げ地図を考案した日建設計ボランティア部などの皆さんと一緒に、黒潮町を訪問した。
避難施設の整備は想像を超えた速さ、規模で進められていた。

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小学校裏の、高台への避難階段。学校など緊急性の高い個所から整備がすすめられた。

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大方地区の津波避難タワー。左側は3.11前の想定に基づくもので、右側にその後の新たな想定によるものが増設された。上部でつながっている。

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津波避難タワーを、近くのタワーから見たもの。

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停電した夜でも避難階段が見えるように、「蓄光材」(△マーク)を埋め込んでいるものがある。

初日に大方地区の砂浜美術館、2日目に佐賀地区の漁協女性部の皆さんに、逃げ地図制作体験をしていただいた。参加者は誰も非常に真剣に取り組まれ、津波被害を身近に感じれおられることが伝わってきた。実際黒潮町では過去130年おきくらいに大地震と津波被害が発生している。

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津波対策を単にマイナスに捉えるのではなく、これを機会として地場産品の缶詰製造など新たな産業起こしにも取り組んでおり、そのデザインも良いセンスで、さすがに砂浜美術館を産み育てたまちである。

津波対策を進めるために数百回に及ぶ住民ワークショップや説明会、訓練などを行ったという。この取り組みはまだまだこれからも続くであろう。津波避難タワーで空からの花見宴会をするとか、町内会館を併設するなどあってよいのではないか?名物アクアスロンのランコースに避難タワーを組み込むとか、鯉のぼりならぬカツオのぼりの拠点としてタワーを使ってしまうとか。視察は有料にして住民が案内するのもよいのではないか。世界各地から視察者が来るに違いない。それは住民にとっても地元の理解を深めることにつながる。防災活動を契機として黒潮町に新たな力が生まれ育つことを願ってやまない

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コメント 1

通りすがり

 津波タワーの完成ですか?

ところで、頂上部にはトイレはあるのでしょうか?

収容人数が多いわりに、トイレレスとか、組立パックトイレとか、

女性にトイレブース無しで、用足ししろ的なものがほとんどですが??
by 通りすがり (2017-03-29 14:07) 

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