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神楽坂 旧常盤家本館 (国登録有形文化財) [建築紹介]

神楽坂の中心部にある旧常盤家本館は、かつて待合として利用された花街建築であり、1950年竣工。2012年に国指定登録文化財となっている。現在は一般住宅であり、非公開である。その内装は極めて豪華と聞いていた。先日、関係者限定の展示会があり、念願かなって見学することができた。

登録文化財申請の際には、私の所属するNPO法人粋なまちづくり倶楽部と新宿区の協働事業として、建築調査をさせていただいたのだが、私はこの建物の調査には参加していなかった。

聞きしに勝る豪華さと、極めて高い水準の行き届いた管理に圧倒された。まさに花街建築の粋を極めたと言えよう。
材木商だった先代が各地の銘木を集め、宮大工が施工したという。障子、ガラス戸、ステンドグラス、欄間、照明器具などなどひとつひとつが凝ったつくりで各部屋で意匠が異なり、建具の概念を越えて家具あるいは指物ともいえそうなもので、専門の職人が造ったものである。たとえば幾枚かの障子の桟の見附はわずか2mmで、これはそれ自体組子としての価値があると思われる。

通りからは正面玄関付近しか見えないが、奥行きがある敷地で中庭を有し、北棟、東棟に広間が加わり数多くの部屋が設けられている。

常盤屋正面.jpg
(通りから見た正面)

部屋のひとつは「紫檀黒檀の間」と呼ばれ、床の框に黒檀、建具は紫檀が用いられている。簾は、部屋が日焼けしないようにとの配慮のためという。

常盤家紫檀黒檀の間.jpg

(紫檀黒檀の間)

待合で複数の客があった際、電話の声が他者に聞こえないようにと、電話室が棟内4か所に設けられていた。

常盤家電話室.jpg

(電話室)

これだけの建築を維持管理するには相当の労力と費用が必要であり、それを長年続けられてきた所有者のご努力には全く頭が下がる。入場料を払っても見る価値がある建築と思われたが、ご主人のお話では、そのようにすると観光客過多になり、そういうご意向は全くないとのことであった。

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